長期金利1.2%台前半中心、20年債入札2%クーポン見込む=来週の円債市場
[東京 11日 ロイター] 来週の円債市場では、長期金利の代表的な指標となる10年最長期国債利回りは1.2%台前半を中心とした取引になる見通し。欧州の財政懸念がくすぶり続ける一方で、足元の中国の経済成長率が上がるなど、世界の株価に影響する材料に強弱感が出始めている。円債相場は一進一退となる株価をにらみ金利が大きく振れないレンジを形成する可能性が高いとみられている。16日に新発20年物国債(1兆1000億円、2030年6月20日償還)の入札を控えているため、調整色を強める場面も想定されている。クーポンは前回債から0.1%引き下げの2.0%が見込まれている。
国債先物9月限の予想レンジは140.00円─140.75円。
10年物最長期国債利回りの予想レンジは1.270%─1.200%。
欧州財政問題を根深いと見る市場参加者が多い中、終息の方向性を示す芽も出始めているとの指摘もある。日興コーディアル証券・チーフストラテジストの末澤豪謙氏は「5月、6月初旬と世界の株価は乱高下したが、値固めの局面に入ってきた可能性がある。株価、通貨ユーロが買い戻される方向が続き、金利の上昇基調にトレンドがやや転換してもおかしくない」と述べた。もっとも、国債の大量償還を控え、銀行勢中心に積み上げ意欲は強く、需給面で崩れることはないとみられている。
荒井聡国家戦略・経済財政・消費者行政担当相は11日、閣議後の会見で、3年程度の歳出の枠を示す「中期財政フレーム」について、ペイアズユーゴー原則と、来年度新規国債発行を44.3兆円以内とすることを基本原則とする方針を明らかにした。「新成長戦略」や「中期財政フレーム」の取りまとめ時期について遅くとも22日の閣議決定を目指すと述べた。中期財政フレームについて「消費税の引き上げなどがはっきり書き込まれることはないだろう。財政再建が前面に出ると緊縮につながり、景気面から株にはややマイナスだが、マーケットを大きく動かす材料にはならない」(国内証券)との見方があった。
財務省は16日に新発20年利付国債の入札を予定している。今回債は前回債から償還が3カ月延びる。クーポンについて、みずほ証券・シニアマーケットアナリストの野地慎氏は「償還が延びることと調整が入ることを考慮に入れると、2.0%での決着の可能性が高い」とみている。買い遅れている生保や年金勢の需要を集め、無難な入札になるとの見方が複数ある。市場では「超長期ゾーンに関する生保の需要を探る意味では、どこまで上値を追う動きがみられるか注目される」(別の国内証券)との声が聞かれた。
日銀は14─15日の日程で金融政策決定会合を開く。会合について、三菱UFJモルガンスタンレー証券・シニア債券ストラテジストの長谷川治美氏は「成長基盤強化支援の資金供給のスキームが決まるかどうかがポイントになる。数字的な詳細が決まった場合は、日銀が成長分野として、どのようなところを指定するのか注目される」と述べた。菅直人首相がインフレ目標の座標に積極的な発言をしてきただけに、「日銀に新内閣の方からプレッシャーがかかってくるかどうかもポイントだ」(長谷川氏)との見方が出ていた。
(ロイター日本語ニュース 伊藤 武文記者)
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