〔焦点〕米銀が企業・個人向け融資基準を厳格化、資金ニーズの減少も浮き彫りに
[ワシントン 5日 ロイター] 米連邦準備理事会(FRB)が5日公表した4月の銀行上級貸出担当者調査によると、米国内の銀行は、過去3カ月間で企業・個人向けの貸出条件を厳格化した。
景気見通しの悪化が背景。調査は、国内行56行、外銀の21支店を対象に実施した。
今年1月の調査ほど顕著ではないが、企業・個人の資金ニーズが減少していることも浮き彫りになった。
同調査は「過去3カ月間で商工業向けローンの条件を厳格化した理由として、過半数をかなり上回る国内行・外銀が、景気見通しの悪化や不透明感の増大、また業界固有の問題の悪化を挙げた」と指摘した。
ユニクレジット・マーケッツのエコノミスト、ハーム・バンドホルツ氏は、これについて「(信用収縮が)実体経済に波及したことを示しており、信用収縮は今後しばらく、投資や個人消費の重しとなるだろう」と分析。雇用の縮小がこうした傾向に拍車をかけるとの見方を示した。
FRBは、4月29─30日の連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%ポイントの利下げを決めた際、調査結果の概要を知らされていた可能性がある。
同調査によると、「1月調査をやや上回る国内銀行の約35%、外国銀行の約45%が、現在の資本状況や今後予想される資本状況が、過去3カ月間で貸出基準を厳格化した理由になったと回答した」。
<利下げ・流動性対策の効果>
FRBをはじめとする米欧の中央銀行は、銀行向けの流動性供給策を相次いで導入、金融機関に貸し出しの拡大を促している。
今回の調査では、銀行が融資自体は行っているものの、利ざやを厚めにしていることが分かった。FRBの利下げが、意図した効果を十分に発揮していないとの指摘も出ている。
同調査は「約70%の銀行が、資金調達コストに上乗せする融資の利ざやを拡大したと回答した。この比率は、1月調査の45%から上昇している」と指摘。
調査では、融資の需要が低迷していることも明らかになった。工場建設・設備投資や、在庫の維持管理のための融資需要が減っているほか、「すべての外銀が、顧客の間で合併・買収(M&A)関連の資金ニーズが減っていると回答した」という。
商業用不動産向けローンの貸出基準を厳格化したと回答したのは、国内行の約80%、外銀の55%で、1月調査とほぼ同じだった。
<住宅ローンも厳格化>
住宅ローンについては、信用力の高いプライムローンだけでなく、新型ローンや信用力の低いサブプライムローンの貸出基準も厳格化された。
約65%の銀行は、サブプライムローンの需要が減少したと回答した。
銀行が、貸し出しに慎重になる理由の1つとして挙げているのが「現在の資本状況や今後予想される資本状況」。貸出債権の状況に不安を感じていることの表れとも言える。
住宅価格は下落に歯止めがかかっておらず、今年の住宅差し押さえ件数は200万件を超える見通し。このため、各行は不良債権の増加を警戒しているとみられている。
特に今回の調査では、国内行の70%が、ホーム・エクイティ・ライン・オブ・クレジット(HELOC)の承認基準を厳格化しと回答した。
住宅の担保価値が鑑定額を大幅に下回ったため、既存のHELOCの条件を厳格化したとの回答も、全体の50%を占めた。
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