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インタビュー:信託機能を地銀に提供、貸出競合やめる=飯盛・みずほ信託社長
2017年4月5日 / 01:22 / 6ヶ月前

インタビュー:信託機能を地銀に提供、貸出競合やめる=飯盛・みずほ信託社長

 4月5日、みずほフィナンシャルグループ傘下のみずほ信託銀行社長に就任した飯盛徹夫氏は、ロイターとのインタビューで、資産管理などの信託機能を地方銀行に提供することで、地銀と相互補完的な関係を築く方針を示した。写真は都内で1月撮影(2017年 ロイター/Kim Kyung Hoon)

[東京 5日 ロイター] - みずほフィナンシャルグループ(8411.T)傘下のみずほ信託銀行社長に就任した飯盛徹夫氏は、ロイターとのインタビューで、資産管理などの信託機能を地方銀行に提供することで、地銀と相互補完的な関係を築く方針を示した。これまでメガバンクは地方でも住宅ローンなどの貸出を進めてきたが、今後は手数料ビジネス拡大を目指す。

また、日本版スチュワードシップ・コードやコーポレートガバナンス・コードの導入に合わせ、企業年金基金や企業に対する助言業務を拡大していくと語った。

飯盛氏は旧富士銀行出身で、みずほFGの経営企画部長やリテール担当役員などを経て、4月1日付でみずほ信託銀社長に就任した。

主なやり取りは以下の通り。

――みずほ信託のグループ内での役割は何か。

「みずほは、昨年度からの中期経営計画でカンパニー制を導入した。各カンパニーに十分な信託機能を供給することが最大の使命だ。それとともに、グループの課題である資本の積み上げとROE(株主資本利益率)向上の2点について、信託ビジネスによるノンアセット収益の積み上げで貢献する」

――運用業務をなぜ、信託銀行から外したのか。

「昨年10月に年金の伝統的な運用資産である債券と株式をグループの運用会社に委託した。内外の人から、運用業務を外して大丈夫かと言われるが、それは誤解だ。今日的な資産運用の環境を考えた時に、極めて先駆的な取り組みだと思っている。従来はアセットオーナーである年金基金から自分たちが受託した時に、運用がイマイチであっても自らを否定できない。しかし、今はグループの運用会社ではあるものの、切ろうと思えば切ることができる。アセットオーナーに寄り添って同じ目線で資産運用の受託ができるようになった。これは強みだ」

「スチュワードシップ・コードでは、アセットオーナーである年金が、投資先である企業を監視しなければならない。しかし、投資先を監視するための組織を持っている年金がどれほどあるのか。今、われわれはフィデューシャリー・マネジメントというサービスを立ち上げ、年金基金の議決権行使などの業務をサポートしている。これも運用業務を切り離したことで生まれたビジネスチャンスだ」

――コーポレートガバナンス・コード(CGC)も、ビジネスチャンスの拡大をもたらすか。

「証券代行業務の一環として、CGCのアドバイザリー業務は2015年から始めて120件程取れている。役員賞与を業績連動にする商品を扱っており、販売手数料も入る。証券代行業務は単体では確かにマージンが薄い。しかし、CGCが浸透し、付加価値サービスが提供できるようになっている。今や、信託銀行単体で受託資産額の大小を競うことは無意味だと思う」

――地方にも信託機能を提供するのか。

「地銀が地域に求められる信託機能を提供していく。事業承継に関係する信託機能はどんどん地域に提供していきたい。少子高齢化で縮小する地域で、地銀と貸出の取り合いをするのはやめる。信託機能以外に提供できるものとして、海外進出やM&A(買収・合併)、新規上場の助言などもあるが、圧倒的に求められるのは信託機能だと思う。高齢者の独居世代の資産を守り、残すニーズは大きい。ロッドは小さいかもしれないが、しっかり地域とコラボできるのが信託だと考えている」

――信託銀行のフィデューシャリー・デューティーが問われている。

「信託魂とは、地方で住宅ローンを売ることではない。信託魂こそがフィデューシャリー・デューティーであり、受託者責任だ。これがすべてに優先する。アセットオーナーの意識を変革させ、より良い企業のガバナンスを成り立たせ、そのことで日本の成長に貢献できる。金融業界で残された数少ない成長領域が信託ビジネスだ。信託銀行こそが今日的課題に対して解答できる器を持っている」

*このインタビューは3月29日に行いました。

布施太郎 編集:田巻一彦

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