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ブログ:新旧混在するモスクワ地下鉄の魅力
2017年6月7日 / 04:46 / 3ヶ月前

ブログ:新旧混在するモスクワ地下鉄の魅力

 6月2日、モスクワの地下鉄は、世界で最も忙しく、かつ外観が美しい地下交通システムの一つだ。バウマンスカヤ駅で3月27日撮影(2017年 ロイター/Grigory Dukor)

[モスクワ 2日 ロイター] - モスクワの地下鉄は、世界で最も忙しく、かつ外観が美しい地下交通システムの一つだ。旧ソビエト連邦の威信を示すために建設され、精巧な装飾が施された広々とした駅は、共産主義国家の物語を表現した大理石の像やステンドグラス、モザイクで飾られている。

3月14日、パルク・クリトゥーリ駅のエスカレーター(2017年 ロイター/Grigory Dukor)

3月14日、パルク・クリトゥーリ駅のエスカレーター(2017年 ロイター/Grigory Dukor)

1935年のオープン時、地下鉄には11駅しかなく、初日には28万5000人の乗客が物見がてら乗車しただけだった。現在、駅数は206に増え、毎日最大900万人の乗客が利用している。

革命広場駅で、犬の像の鼻に触る利用客(2017年 ロイター/Grigory Dukor)

革命広場駅で、犬の像の鼻に触る利用客(2017年 ロイター/Grigory Dukor)

ゴミ一つ落ちていないモスクワ地下鉄の駅は、新旧が混在している。革命広場(プローシャジ・レボリューツィー)駅で降りると、利用客が国境警備兵の像に近づき、兵士が連れている犬の像の鼻を触って、幸運を呼び込もうとしている。この駅にはこうした像が4つあり、犬の鼻はいつも触られてどれもピカピカと光っている。

キエフスカヤ駅のレーニンのモザイク前でキスするカップル(2017年 ロイター/Grigory Dukor)

キエフスカヤ駅のレーニンのモザイク前でキスするカップル(2017年 ロイター/Grigory Dukor)

地下鉄はもともと、ロシア革命の指導者ウラジミール・イリイチ・レーニンにちなんで名づけられており、その肖像は今でも、地下鉄の至る所で見ることができる。像やモザイクのほか、イリイチ広場駅の壁には巨大な胸像がある。

コムソモルスカヤ駅で、運転手に出発の合図をする係員(2017年 ロイター/Grigory Dukor)

コムソモルスカヤ駅で、運転手に出発の合図をする係員(2017年 ロイター/Grigory Dukor)

レーニンの後継者、ヨシフ・スターリンの肖像も地下鉄で見ることができたが、1956年にソ連の指導者ニキータ・フルシチョフがスターリン批判を行い、ソ連全土でスターリンの像が破壊された。

スラビャンスキー・ブリバール駅で4月13日撮影(2017年 ロイター/Grigory Dukor)

スラビャンスキー・ブリバール駅で4月13日撮影(2017年 ロイター/Grigory Dukor)

ダブリーニンスカヤ駅には、楽しそうな群衆が、宇宙飛行士の写真を掲げているモザイクがある。かつてはスターリンの絵だったが、権威失墜した指導者を隠すために、後から宇宙飛行士に差し替えられたものだ。

モスクワ中心部のクルスカヤ駅からは、スターリンの像が撤去されたが、2009年に「スターリンの教えで民衆への忠誠を学んだ。彼の導きで労働と偉業に進むのだ」という、旧ソ連の国歌にある1節が地下鉄入口に復刻し、議論を呼んだ。

ラッシュアワーのキエフスカヤ駅。4月17日撮影(2017年 ロイター/Grigory Dukor)

ラッシュアワーのキエフスカヤ駅。4月17日撮影(2017年 ロイター/Grigory Dukor)

ウクライナがゆるぎなくソ連の一部だった1954年に建設されたキエフスカヤ駅では、壁の1つがロシアとウクライナの友情を描いた色鮮やかなモザイクで飾られている。両国は、2014年のロシアによるクリミア半島併合を巡り対立している。

地下鉄は近年、急速に拡大しており、2018年にロシアが開催するワールド・カップに向けて近代化が進められている。

地下鉄には今や、無料のWiFi(ワイファイ)が整備され、英語のアナウンスも徐々に各路線に導入されている。観光客が利用しやすいように整備された駅では、地下鉄のおすすめ建造物とうまく写真におさまることができる「自撮りスポット」が、床に示されている。

ドストエフスカヤ駅のバレエ上演で、出番を待つバレエダンサーたち。3月12日撮影(2017年 ロイター/Grigory Dukor)

ドストエフスカヤ駅のバレエ上演で、出番を待つバレエダンサーたち。3月12日撮影(2017年 ロイター/Grigory Dukor)

文豪ドストエフスキーにちなんで名づけられた駅では最近、バレエ版の小説「白痴」が上演された。

ジュレビノ駅で運行管理業務を行う女性係員。4月18日撮影(2017年 ロイター/Grigory Dukor)

ジュレビノ駅で運行管理業務を行う女性係員。4月18日撮影(2017年 ロイター/Grigory Dukor)

他にも、目に見える変化として、終わりが見えないほど長いエスカレータの下のブースに座り、手すりに座る利用者などがいると注意する仕事をしていた年配の女性係員の多くが入れ替えられ、議論を呼んだ。

地元の人に「リューダおばさん」と呼ばれていた係員は、月曜日にはジョークを言い、詩を朗読し、乗客に自分たちがイギリスにいることを想像するよう語りかけるので有名だった。ここが英国だったら、エスカレーターを歩いで移動する人は左側に寄らなければならない、というのだ。今、こうした係員の多くは若い男性になり、乗客と軽口をたたく余裕はまだないようだ。

フォンビジンスカヤ駅で4月13日撮影(2017年 ロイター/Grigory Dukor)

フォンビジンスカヤ駅で4月13日撮影(2017年 ロイター/Grigory Dukor)

地下鉄はようやく、自らの美術的・文化的魅力に目覚めたようで、地下鉄グッズを扱う観光客向けのスタンドを開いた。高さ8センチの国境警備兵と犬の像は2900ルーブル(約5800円)で、自宅で犬の鼻の触り放題に触れる。また、レーニンなどが描かれた、地下鉄の人気モザイクを再現したコースターなどのお土産も置かれている。

エレクトロザボツァヤ駅で3月26日撮影(2017年 ロイター/Grigory Dukor)

エレクトロザボツァヤ駅で3月26日撮影(2017年 ロイター/Grigory Dukor)

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