マネーのリスク回避は短期筋が主導、長期投資家が今後カギに

2007年 08月 2日 20:01 JST
 

 [東京 2日 ロイター] 米サブプライムモーゲージ(信用度の低い借り手向け住宅融資)問題をめぐる最近の株安/債券高や円高は、グローバルマネーの大きなシフトではなく、投機色の強いファンドなど短期筋の値幅取りを狙った売買が主導したとの見方が強まっている。

 巨額の資金を運用し、金融市場に多大な影響を与える長期投資家の動きが限られていることは、短期筋の動きが一巡すれば混乱が終息に向かう可能性を示す一方、問題が広がればさらに大きな調整に発展するリスクもはらんでいる。

 <世界的な株売り/債券買い、長期投資家の姿見えず>

 米サブプライムモーゲージ問題を手掛かりに金融市場では、質への逃避として世界的に株安/債券高が強まると同時に、高水準の円キャリートレードが解消されるとの見方から、円買いと高金利通貨売りが目立っている。震源地である米国ではダウ工業株30種平均が3カ月ぶり水準へ下落する一方、米10年債利回りは2カ月半ぶり水準へ低下。円は対ドルで4カ月ぶり円高水準まで上昇し、高金利通貨として人気のオーストラリアドルも対円で2カ月ぶり水準へ下落している。

 こうした動きは、サブプライム問題が米景気全般へ、さらに世界経済に対しても悪影響を与える可能性があることに対する警戒感から、マネーフローがリスク回避姿勢を強めた結果とされる。しかし金融市場では「スペック(投機筋)がサブプライムを口実に売買を仕掛けているだけなのではないか」(邦銀の外為チーフディーラー)との見方が次第に強まっている。株の下落や円高が急速に進む中でも、各金融市場で「長期投資家の姿がほとんど見えてこない」(在京外銀の金融市場担当責任者)ためだ。

 グローバルマネーの流通経路となる外為市場でも、長期投資前提の投資家が大きく動いた形跡はあまりない。大手投資家の巨額なマネーシフトは為替相場の水準にも大きな影響を与えるが、豪ドルなどの高金利通貨は高値から1―2カ月ぶり程度の調整にとどまっている。この1カ月で6円近い円高が進んだドル/円でも「いわゆる(短期的な売買で収益を狙う)ヘッジファンドが120円後半あたりから売りを仕掛け、マクロ系ファンドが新規に売りポジションを構築して追随したのが下げの主因」(先の外銀担当者)だ。「もし投資家が出ていれば、ドルは115円をとうの昔に抜けて(円高が進んで)いる。彼らの動きはそのくらいインパクトがある」(都銀のシニア外為ディーラー)という。

 金融市場では1日午後の取引で、南アフリカランドやトルコリラなど、新興国の高金利通貨にまとまった売りが出たことが関係者の話題を呼んだ。高金利通貨への売りはキャリートレード圧縮観測の一環として豪ドルやニュージーランドドルなどでも目立っているが、日本時間にこうしたアジア以外の新興・高金利国通貨がまとまって売買されるのは異例。参加者には「投資家の動きとは考えづらい。明らかに『リスク回避』を口実にしたスペックの動きが際立ってきた」(邦銀関係者)と映る。

 <サブプライム問題は息の長いテーマに>  続く...

 
 
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リスクマネーの動きが活発化しており、コモディティ市場においては需給面よりも金融商品市場としての色濃さが増している。  ブログ