FRBで聞こえ始めた利上げ論、時期は09年初めの公算
[ワシントン 19日 ロイター] 米連邦準備理事会(FRB)当局者の間から、利上げの必要性を指摘する声が公に聞かれ始めた。その一方で利上げは時期尚早だとする声も強く、FRBは2009年初めまで政策金利を現行水準に維持する公算が大きいようだ。
インフレ懸念を重視するタカ派は最近のスピーチで、昨年9月半ば以来フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を2%まで合計3.25%ポイント引き下げてきた積極的な金融緩和を打ち止めにする必要性を強調している。
一方、景気を重視してきたハト派の当局者も、現在の金利水準は適切だとして金融政策の据え置きを主張し始めた。
それに加え、最近発表された経済指標が予想以上に景気の堅調さを示すものだったことから、先物市場は10月末までに0.25%ポイントの利上げが実施される可能性が46%、年末までの利上げ確率は64%あることを織り込んでいる。
しかし、フェドウォッチャーの間では、利上げは時期尚早だとの見方が多数を占めている。
かつてFRBのエコノミストを務めていたマクロエコノミック・アドバイザーズのブライアン・サック氏は「金利はしばらくの間据え置かれ、2009年3月頃に利上げが開始されるだろう」との見方を示し、「私の見方では、FRBは模様眺めモードにある。インフレリスクをめぐってはかなり議論になっているが、現段階で見方が変わるとは考えにくい」と述べた。
FRBがしばらく金利を現行水準で据え置くとの見方を高めているのは、脆弱なクレジット市場への懸念を捨てきれずにいるバーナンキ議長の発言だ。
バーナンキ議長は先週、「市場の緊張は一部緩和しているが依然として正常な状態からは程遠い」との見方を示した。
マクロエコノミック・アドバイザーズのサック氏は「議長は、クレジット市場が回復するにはまだ時間がかかると強調した。われわれは議長の発言を、しばらく金融引き締めは行わないことを意味するものと解釈している」と述べた。
<タカ派 vs ハト派>
バーナンキ議長とFRBナンバーツーのコーン副議長は、住宅危機やクレジットクランチに直面する中、スピーチの場を利用してFRBのスタンス変更を示唆してきた。FRBではインフレを懸念するタカ派とリセッション(景気後退)を懸念するハト派の立場が明確に分かれているため、バーナンキ、コーン両氏の発言は重要な意味を持つ。
カンザスシティ地区連銀のホーニグ総裁とダラス地区連銀のフィッシャー総裁は最近、インフレを懸念する考えを示し、ホーニグ総裁はある段階でこれまでの利下げを修正する必要性をほのめかした。
これまで連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーの中で最も景気を懸念する発言をしてきたサンフランシスコ地区連銀のイエレン総裁もインフレリスクを強調しながらも、利上げの時期について議論を始めるのは時期尚早だ、と指摘した。
アトランタ地区連銀のロックハート総裁とシカゴ地区連銀のエバンス総裁は、イエレン総裁のバランスを取る考えに同調している。
バンク・オブ・アメリカ・キャピタル・マネジメントのチーフエコノミスト、リン・リーサー氏は「不透明感や当局者のさまざまな意見を考えると、現段階では2%がFF金利の底となりそうだ」としたうえで、「すべての政策当局者は、2%のFF金利がインフレを抑制するという目標に適した水準ではないと考えている。問題となるのは引き締めに転じるタイミングだ」と述べた。同氏は利上げの時期について2009年になると予想している。
(ロイター日本語ニュース 原文執筆:Alister Bull記者、翻訳:長谷部正敬)
© Thomson Reuters 2008 All rights reserved.















