メリル、第2四半期に巨額の評価損計上なら格下げに直面へ
[ニューヨーク 3日 ロイター] 米証券3位メリルリンチ(MER.N: 株価, 企業情報, レポート)が第2・四半期に巨額の評価損を計上するとの予想を受け、格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスがメリル債の格付けを引き下げるとの懸念が強まっている。
メリルは借り入れコスト上昇に直面し、抱える問題がより悪化する公算が大きい。
アナリストらは、メリルが今月中の第2・四半期業績の発表時、最大58億ドルの評価損計上を明らかにすると予想している。評価損計上額はこれまでに300億ドルを超えている。
ジョン・セイン最高経営責任者(CEO)は資産売却による増資を試みると予想されているが、格付け会社のうち少なくとも1社が格付け維持には不十分である可能性があるとの見方を示している。
ムーディーズはメリルに投資適格級として最上級から5番目の「A1」を付与しているが、4月中旬以降、格下げの方向で見直しの対象としており、格下げはほぼ確実とみられている。
格下げは、メリルの総額約2610億ドルの長期債に影響を及ぼす可能性がある。
スタンダード&プアーズ(S&P)は3月のベアー・スターンズの経営破たんの後、業界の資金調達モデルを見直し、6月にメリルの格付けを「A」に1段階引き下げた。
レーデンバーグのアナリスト、リチャード・ボーブ氏は「ムーディーズが格下げに踏み切る可能性はかなり高い」と述べた。
メリルのスポークスマンはコメントを差し控えた。
S&Pは見通しをネガティブとしている。これは通常、長期的な格下げのリクスを示すものだが、S&Pはメリルが巨額の追加損失を計上すれば、格下げに踏み切る可能性があると述べている。
投資家はすでに、格下げを織り込んでいる。ムーディーズの信用ストラテジー・グループによると、メリル債は投資適格級としては最低格付けの「Baa3」を織り込む水準で取引されている。クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)は投機的格付けの「Ba1」を示唆する水準にある。
S&Pの格下げ前にメリルが規制当局に提出した最新の資料によると、1段階の格下げがあれば32億ドルの追加担保が必要となり、2段階の格下げの場合はさらに7億ドルの担保が必要になる。
独立系債券格付け会社イーガン・ジョーンズ・レーティングスのマネジングディレクター、ショーン・イーガン氏は、メリルの格付けが1段階引き下げられれば、年間の借り入れコストが10─20ベーシス・ポイント(bp)上昇する可能性があると推測した。これは、借り入れ金10億ドルにつき1000─2000万ドルのコスト上昇となる。
ムーディーズは、メリル債の格付け動向について、資本比率の引き上げ能力と、バランスシートの「リスク引き下げ」継続能力次第との見方を示した。
(ロイター日本語サービス 原文:Anastasija Johnson記者、翻訳:山口 肇)
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