米金融安定化策:識者はこうみる
[東京 22日 ロイター] 米政府は20日、金融機関が抱える住宅ローン関連の不良資産について公的資金で最大7000億ドル(約75兆円)を買い取ることなどを盛り込んだ法案を議会に示した。財務長官に広範な権限を付与する内容。市場関係者のコメントは以下の通り。
●実効性に懐疑的、消去法的な国債選好も
<UBS証券・チーフストラテジスト 道家映二氏>
米金融システムへの公的支援策が矢継ぎ早に打ち出され、市場は大きく揺れ動いている。市場における「不安の連鎖」を一旦断ち切ることに成功したようだ。年末越えまでを見据えた資金繰り支援や、金融機関による不良資産売却に伴う一段の価格下落を防止するという点で有効だろう。
しかし、根本原因である住宅価格の下落や、本質的な問題である金融機関の資本不足に対し、実効性のある対策はいまだ打ち出されていない。RTC(整理信託公社)型組織の設立構想は、期待先行という面も大きい。S&L(貯蓄金融機関)危機時に不良債権を買い取った場合と比べ、複雑な証券化商品の価格設定は容易でない。「逆入札」方式がうまく機能するかは未知数だ。不良資産の簿価と時価が大きくかい離するなか、国民負担を最小限に抑えようとすれば、引当金の積み上げ度合いによっては、金融機関に追加損失が発生、資本不足問題は深刻化しかねない。
裏返してみれば、それだけ事態は深刻なのだろう。同対策は、金融市場・資産価格・実体経済の「負の連鎖」に一定の歯止めをかけても、実体経済を押し上げる効果に乏しい。住宅市場の下落や金融機関の資本不足を解決するには、景気回復が必要だ。利下げの議論は別として、日銀がすぐに利上げを検討できる状況にはない。「バランスシート調整型不況」を脱するメドが立たない限り、消去法的な日本国債選好は続くだろう。
きょうの円債市場では売りが先行し、金利に上昇圧力がかかりやすいが、10年債で1.5%半ばの水準からは、国内勢の押し目買いが入るのではないか。
●効果を見極める展開、好循環ならドル109円方向 続く...













