ロイター調査:日米経済の回復時期、「2009年10─12月期ごろから」
[東京 16日 ロイター] ロイターが大企業400社を対象に実施した「10月ロイター企業調査」によると、日米経済が改善に転じる時期は「2009年10─12月ごろから」との回答が最も多かった。
米国経済が改善に転じる時期が2009年内かそれ以前との答えが全体の55%と過半数になる一方、日本経済が回復局面に転じるのは2010年内かそれ以降との見方が多く、米国経済の回復時期よりも遅れるとの見方が優勢となった。日銀の次の金融政策変更は「利下げ」との回答が59%と「利上げ」を上回り、利下げ時期は「09年1─3月期ごろか、それ以前」との回答が35%と最も多かった。
今回の調査は9月24日─10月10日に実施された。調査期間中は、米投資銀行のリーマン・ブラザーズ(LEHMQ.PK: 株価, 企業情報, レポート)の経営破たんを背景に金融市場で信用不安が高まり、世界的に株価が大幅に下落。日経平均株価は、一時2003年5月以来の安値となる8000円台前半に落ち込む場面があった。
<景気対策を最優先にすべきとの意見が多数>
金融市場の混乱の実体経済への波及度合いが懸念される中、米経済が改善に転じる時期を聞いたところ「09年10─12月期ごろから」との回答が全体の24%と最も多く、09年内かそれ以前の回復を見通す回答社は全体の55%と過半数になった。09年内かそれ以前に回復するとの見方は、製造業で58%と非製造業(50%)を上回り、調査からは製造業が米国経済についてより楽観的に見ていることが読み取れる。
また、日本経済についても、8月に政府が月例経済報告で景気の基調判断を下方修正したほか、日銀が金融経済月報で生産の判断を下方修正するなどの動きが出始め、景気は後退期入りしたとの見方が強まっている。回復局面に転じる時期を回答社に聞いたところ、やはり「09年10─12月期ごろから」との見通しが全体の24%と最も多かったが、2010年内かそれ以降に回復するとの見通しは合計で52%と過半数となり、米経済よりも改善時期が遅くなるとの見方が優勢となった。
回答社からは、金融問題を発端とする海外経済の減速が予想されるため「先行きが読めない」(化学)との見方が多い。「当面外需が弱含むのは間違いなく、内需喚起のために財政出動・減税等の政策を行うのも止むを得ない」(石油・石炭)、「景気対策を最優先し、財政再建はそれ以降にして欲しい」(電機)、「金融緩和とともに所得税減税による消費刺激策の早期実施を」(輸送用機器)──など打開策を求める意見が多数出ている。
一方で、景気対策を優先すれば財政赤字は増大しかねないため、海外からの信用失墜を懸念する声もある。回答社からは「これ以上の財政赤字にはできない。景気対策としての財政政策に期待はできないので、経済立て直しは難しい。低金利が続いているので、金融政策の効果も限定的。官による無駄を排除して、財政健全化し、資源の配分先を変更していくしかない」(輸送用機器)などの指摘があった。
<日銀の次の一手は「利下げ」が過半数、輸送用機器などで高い利下げ予想比率>
日銀による次の金融政策変更は利上げ、利下げのどちらか聞いたところ、「利下げ」との回答が59%と「利上げ」(41%)を上回った。前回同じ質問をした4月調査時(「利下げ」56%・「利上げ」44%)よりも利下げ予想が小幅増加した。
業種別では、製造業が非製造業よりも利下げを予想する回答の比率が高く、中でも輸送用機器(78%)、食品(75%)、繊維・紙・パルプ(70%)などで比較的高かった。「利上げ」との回答の比率が高かったのは、鉄鋼・非鉄(75%)、情報サービス・情報通信(57%)、小売(53%)などだった。
次回の利下げ時期を聞いたところ、「09年1─3月期ごろか、それ以前」との回答が35%と最も多く、「09年4─6月期ごろから」(27%)、「09年10─12月期」(15%)が続いた。4月に行われた同調査では「08年7─9月期」との回答が56%と最も多く、「08年4─6月期」(20%)、「08年10─12月期」(18%)が続いた。
一方、次回の利上げ時期については「09年10─12月期ごろから」との回答が19%で最も多く、「10年10─12月期ごろか、それ以後」(18%)、「10年1─3月期ごろ」(14%)が続いた。4月に行われた同調査では、「09年4─6月期か、それ以降」との回答が38%で最も多く、「08年10─12月期」(24%)、「08年7─9月期」(19%)が続いた。
<11月末の日経平均の予想は1万1818円>
11月末時点の日経平均の予想平均は1万1818円となり、9月調査での10月末時点の予想である1万2841円を下回った。調査期間中は世界景気の悪化と金融危機の深刻化が懸念され、日経平均は8000円台前半まで水準を切り下げた。足元では、週末の7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)後に各国当局が銀行への資本注入などを柱とする金融支援策を表明、各国中央銀行が銀行間貸出金利の上昇緩和に向け、市場への米ドル資金供給拡大策を表明したことなども好感され、9000円台に戻す場面もあったが、実体経済の減速懸念は根強く軟調な値動きが続いている。
11月末時点のドル/円の予想は平均で104.57円となり、9月調査の10月末時点の予想である108.60円よりドル安/円高となった。調査期間中は、世界的な株安の流れの中でリスク回避の円買いが進んだことから、ドル/円は一時97円台と3月19日以来、半年ぶりの安値を更新した。G7後の週明けの市場では102円台に戻す場面もあった。
12月末時点の長期金利(10年国債指標銘柄利回り)の予想については「1.4%以上─1.6%未満」が58%と最も多く、「1.2%以上─1.4%未満」(17%)がそれに次いだ。9月調査の12月末時点の長期金利の予想は「1.4%以上─1.6%未満」が62%と最も多く、「1.6%以上─1.8%未満」との回答が18%だったが、今回の調査では金利低下方向の見通しが増加した。世界景気の悪化と金融危機の深刻化を背景に、安全資産とされる国債に買いが入ったことから、長期金利は一時1.355%と4月以来の低水準を付けたが、足元では1.6%台に上昇する場面があった。
(ロイターニュース 武田 晃子記者)
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