再送:〔アングル〕新日鉄<5401.T>に今期増額修正の可能性、鋼材値上げ幅次第で増益の見方も

2008年 05月 16日 08:11 JST
 
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*この記事は15日午後8時29分に送信しました。

 [東京 15日 ロイター] 新日本製鉄(5401.T: 株価, ニュース, レポート)の2009年3月期決算は、増額修正される可能性が高まっている。原材料高によるコスト負担増が1兆円に達することから、大幅な減益決算予想を発表したが、平均で2万5000円の鋼材値上げが実施できれば、前期比で増益を確保する、との見方もアナリストからは出ている。

 15日付の朝日新聞朝刊は、新日鉄など鉄鋼大手とトヨタ自動車(7203.T: 株価, ニュース, レポート)との鋼材価格交渉が1トンあたり2万円台後半の値上げで大筋合意したと伝えた。

 この報道に対し新日鉄は「個社との価格交渉についてはノーコメント」(広報)としている。トヨタの渡辺捷昭社長は記者団に対し「ハードネゴをしている最中で、まだ、決着していない」と述べた。渡辺社長は、鉄鉱石や原料炭など原材料価格が上がっていることは理解しており「値上げがゼロでは収まらない。ただ、(要請額を)丸ごと飲むわけにもいかない」と語った。

 ロイターエスティメーツによる主要アナリスト8人の09年3月期経常利益予測平均値は5246億円(前年比7%減)で、決算予想発表前の5466億円からは引き下げられたものの、会社側計画の3700億円(同34%減)を大幅に上回っている。多くのアナリストが、会社側の鋼材価格引き上げ前提を慎重と受け止めている証左と言える。

 08年3月期の平均鋼材価格は1トンあたり7万9800円。新日鉄は、どの程度の値上げを前提に決算予想を組んだか明らかにはしていないが、アナリストの試算によると、1万8000円―2万円の値上げを前提にしているとみられている。

 「最終需要家も含め、それぞれが広く負担しないと資源問題はうまく吸収し切れない。それほどインパクトは大きい」(宗岡正二・新日鉄社長)という考えは鉄鋼メーカー共通で、各社とも鋭意値上げ交渉に取り組んでおり、自動車や造船などの鋼材ユーザー対して平均で1トンあたり3万円程度の値上げを要請している。

 日本鉄鋼連盟の馬田一会長(JFEスチール社長)は4月25日の定例会見で「鋼材需要が強いうえ、国際価格も高値で推移している」と述べ、値上げの環境は整っているとの認識を示している。3万円の値上げ要請にどの程度近付けられるか、値上げ実施時期はいつごろになるかが、各社の業績を見通す上で焦点になる。

 新日鉄の場合、1トンあたり1000円の値上げが実現すれば、経常利益で300億円超の増益要因になる。三菱UFJ証券・アナリストの原田一裕氏は、09年3月期の平均鋼材価格を2万5000円の上昇と予想。この鋼材価格を前提に、09年3月期の経常利益は前年比1.9%増の5750億円と増益を見通している。足元では「ほぼ予想通りの着地になる可能性が高まった」としている。

 4月25日に新日鉄が発表した09年3月期は、鋼材の原料となる鉄鉱石や原料炭の大幅値上がりを受けて、前期比34%減の3700億円と予想。ただ、原材料価格、鋼材価格ともに固まっていない中での決算発表だっただけに、会社側では「暫定的な数字」と位置付けていた。

 新日鉄の15日の終値は、値上げ交渉大筋合意の一部報道を受けて、前営業日比42円高の641円となった。

  

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  (ロイター日本語ニュース 清水 律子記者 取材協力:久保 信博記者;編集 田巻 一彦)

 
 

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