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海外勢も中小型株にシフト、マザーズ市場が逆行高
2016年4月8日 / 07:36 / 2年前

海外勢も中小型株にシフト、マザーズ市場が逆行高

[東京 8日 ロイター] - 東証マザーズ市場で海外投資家の存在感が高まっている。今年に入って同市場での売買比率が昨年から2割上昇。急落する日経平均.N225とは対照的に東証マザーズ指数.MTHRは逆行高を演じている。世界的な景気後退懸念や円高で主力株に逆風が吹くなか、外部環境に左右されにくい成長株として人気が高まっているようだ。

 4月8日、東証マザーズ市場で海外投資家の存在感が高まっている。写真は都内で2014年12月撮影(2016年 ロイター/Yuya Shino)

<トヨタ上回る売買代金>

時価総額トップのトヨタ自動車(7203.T)の売買代金をしばしば上回る中小型株がある。マザーズ市場に上場している創薬ベンチャー、そーせいグループ(4565.T)だ。4月8日もそーせいの売買代金が1195億円と膨らみ、トヨタの899億円を抜いて全ての上場企業のなかでトップとなった。

人気化の理由は、成長期待を背景にした株価の上昇力。子会社へプタレスがアイルランドの製薬大手アラガン(AGN.N)とアルツハイマー病などの新規治療薬の開発で提携すると発表。17年3月期の業績急拡大が期待され、同社の株価は年初来で約2倍となっている。

そーせいがけん引役となり、東証マザーズ指数は年初来で17%高と大幅に上昇。8日には一時1049ポイントと、2013年5月以来、約2年11カ月ぶりの高値を付けた。

もっとも、そーせいのみが指数を押し上げたわけではない。そーせいの寄与分を除いてもマザーズ指数は概算で4%程度のプラスと、年初から16%下落している日経平均を20ポイントほどアウトパフォームし、好調ぶりが目立っている。

<存在感高める海外勢>

独歩高となっているマザーズに貢献したのは海外勢だ。東京証券取引所が7日に公表した3月分の投資部門別売買動向によると、東証マザーズ市場における海外投資家の現物株の売買は140億円の買い越し。1兆9689億円の売り越しとなった東証1部とは対照的な動きとなった。

「海外勢による日本株売りが続くなかで、ごく一部だが中小型株への買いがみられる」。ある外資系証券の現物株トレーダーはこう明かす。数兆円規模の資金を動かす海外投資家が1%でもマザーズ市場にシフトさせれば、その規模は数百億円。時価総額で3兆5000億円程度のマザーズ市場を動かすには十分な規模だ。

同時にマザーズ市場における海外投資家の売買比率(金額ベース)も上昇。今年1─3月の売買比率は平均で25.8%と、2015年の21.4%から約20%拡大した。一方、新興株市場のメーンプレーヤーである個人投資家の売買比率は2015年の73.3%から同期間には69.1%に低下している。

<バリューよりグロース>

海外勢がマザーズ市場を選好し始めているのは、円高や海外経済など不透明な外部環境下で主力株の先行きが読みにくくなっているからだ。メガバンク株や主力輸出株などはPER(株価収益率)が10倍を切っているが、割安感に注目した買いは鈍い。

TOPIXグロース.TOPXGからTOPIXバリュー.TOPXVを差し引いたグロース・バリュー・スプレッドは7日時点で257ポイントと、算出開始以来、過去最高となっている。

「外部要因の影響を受けにくく、かつ成長可能性が高い限られたマーケット」(UBS証券エクイティ・ストラテジストの大川智宏氏)として、マザーズ市場が海外勢の投資対象として人気が高まってきているという。

<先物上場には期待と不安>

加えて東証マザーズ指数先物の上場が予定されていることも海外マネーの呼び水になりそうだ。

東京証券取引所は2016年半ばの次期デリバティブ売買システム(次期J─GATE)稼働に合わせて東証マザーズ指数を対象とする先物の上場を予定している。先物上場により流動性の向上が期待されるほか、裁定取引などに向けて時価総額が大きい現物株を中心に積み上げる動きが出やすい。

さらに期待されるのは価格変動リスクに対するヘッジ機能だ。新興銘柄は値動きが大きく、大型株に比べ急速に値下がりする傾向が大きい。そのため先物で売りポジションを持ち、保有する現物株の下落リスクをヘッジするニーズが強く、「機関投資家などの参入が期待される」(松井証券シニアマーケットアナリストの窪田朋一郎氏)と指摘されている。

ただマザーズ指数先物の上場に伴い、ボラティリティが一段と高まるとの警戒感もある。時価総額加重型の東証マザーズ指数は時価総額が大きい銘柄の影響を受けやすく、構成比率が大きいそーせいのウエートは16%と、日経平均に占めるファーストリテイリング(9983.T)のウエート8%の2倍だ。

市場からは「マザーズ指数先物上場後にその流動性が確保されるかどうかにもよるが、一部の銘柄で指数を動かせてしまう状況は海外ヘッジファンドなど短期投資家の格好の餌食になりかねない」(国内証券)と懸念する声も出ている。

杉山容俊 編集:伊賀大記

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