東芝の自己資本比率8%台に、公的資金の活用を排除せず

2009年 04月 17日 18:45 JST
 
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 [東京 17日 ロイター] 東芝(6502.T: 株価, ニュース, レポート)は17日、2009年3月期の連結業績予想を下方修正し、2800億円と予想していた当期赤字幅が700億円拡大して3500億円になる見込みだと発表した。

 半導体事業が若干改善して営業赤字は圧縮されるが、繰り延べ税金資産850億円を追加で取り崩した。これにより、期末の自己資本比率は8%台に低下。記者会見した村岡富美雄専務は、検討を進めている資本政策について、一般企業向けの公的資金の活用を排除しない考えを示した。 

 <DEレシオ400%、資本政策であらゆる手段> 

 2009年3月期の繰延税金資産の取り崩しは地方税分の全額の850億円を取り崩した。この一方で、法人税の1850億円の計上は据え置き、3月末の連結ベースの繰延税金資産残高は4300億円になるとした。

 この結果、3月末の自己資本は4500億円(前年度末1兆0223億円)となり、自己資本比率は8.2%(同17.2%)に低下して10%を割り込む。有利子負債は1兆8000億円(同1兆2610億円)になり、DEレシオは400%(同123%)に上昇する。村岡専務は「自己資本の毀損(きそん)は十分に認識している。本来の利益の積み上げによる自己資本の増加だけでなく、時間との関係もあるので、いろいろな資本政策を検討している」と述べた。

 村岡専務は、資本政策について「あらゆる手段を考えている」と強調。さらに、今国会で審議中の一般企業への資本注入制度(産活法改正案)の活用については「現段階では考えていないが、あらゆる手段を考えているので排除しない」と述べた。ただ、「まだ制度が審議中だ。さらに、優先株で(資本注入を)やるのであれば、定款変更が必要になるので、すぐに適用するということは考えていない」とも述べた。 

 <今期の営業利益は黒字化へ、年間の半導体は赤字> 

 東芝は1月29日、半導体・液晶事業の構造改革計画(体質改革プログラム)を発表した。同日はこの計画の詳細を説明し、2009年度に3000億円の固定費を削減する計画について「内部では10%積み増しの目標」(村岡専務)として、社内で3300億円の削減を目指して取り組む考えを示した。非正規従業員の削減については、2008年度末までに4500人としていたが、新たに2009年度末までに3900人を削減する計画を示した。

 また、2008年度の設備投資は4300億円(1月公表時は4550億円)となったが、2009年度は2500億円に圧縮する。09年度の半導体事業の設備投資は1000億円未満に抑える(08年度は2300億円)。また研究開発費は、08年度に3900億円となったが、09年度は開発テーマの選択と集中を進めるとして3200億円とする計画。 

 村岡専務は、構造改革計画を進めることで、2010年3月期の営業利益予想は黒字を見込む考えを示した。ただ、08年度の大幅赤字の要因になった半導体事業については「下期に黒字化する」(村岡専務)としたが「年間では赤字が残る」(同)としている。

 足元でフラッシュメモリーの価格が若干回復しているが、村岡専務は「値段が上がってきているのは好転要因」としたものの「スポット価格は急回復しているが在庫調整による面が大きい。需要回復については、今進めている3割の減産がなくなる状況になれば回復するだろうが、少なくとも4―6月は在庫調整の段階になる」との見方を示した。 

 <前期の営業赤字は2500億円に圧縮、半導体の赤字は2800億円> 

 東芝は同日、2009年3月期の連結業績予想を上方修正し、2800億円と見込んでいた営業赤字が300億円縮小して2500億円の見通しと発表した。テレビ事業の損益改善、システムLSIとメモリーの売り上げ増が寄与する。半導体事業の営業赤字は、従来まで2900億円と見込んでいたが2800億円に改善する。売上高見込みは従来の6兆7000億円から6兆6500億円に引き下げた。

 村岡専務は、前期の営業赤字の圧縮について「危機感から全社一丸となった結果。事業環境が好転しているという楽観的な見方はしていない」と述べた。さらに、2010年3月期について「年末に回復期待がある。厳しい状況を認識して2009年度も事業遂行していく」と語った。

 (ロイター日本語ニュース 村井 令二記者)

 
 
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