UPDATE2: 中外薬<4519.T>のアバスチン薬価に市場は失望感、タミフルの影響は不透明
[東京 30日 ロイター] 中外製薬(4519.T: 株価, ニュース, レポート)は30日、抗がん剤アバスチンの薬価公表を受け、今年6月から2008年3月末までのアバスチンの売上高が薬価ベースで70億円になるとの見通しを示した。同社広報担当者がロイターに明らかにした。
アバスチンは今年4月に承認を受け、30日に薬価が発表された。薬価は100ミリグラム5万0291円、400ミリグラム19万1299円。市場では予想価格より低いとの見方から中外の株価は30日後場に値を下げ、終値は前営業日比200円(7.09%)安の2620円となった。
日興シティグループ証券はリポートで「想定価格より約28%低い」と指摘。このほか、中外の貧血治療薬エポジンの競合薬で、キリンビール(2503.T: 株価, ニュース, レポート)の「ネスプ」の価格が単純比較で約33%安いこともあり、貧血治療薬における中外からキリンへのシフトが予想以上に起こると考えられるとみている。
アバスチンは、中外製薬がすでに承認を受けた抗がん剤で、今年販売を開始する主力商品の一角。売上高の予想数値は、07年6月から08年3月を想定したものとなっている。
中外によると、今回決まった薬価は米国に比べて約40%、英国に比べて約7%、海外平均に比べて約25%低い水準という。
中外をめぐっては、インフルエンザ治療薬「タミフル」と服用後の異常行動との因果関係が問題になっている。タミフルの処方率が下がっていることが07年12月期の業績に与える影響について、中外の永山治社長は30日のロイターとのインタビューで「(異常行動とタミフルの)関連性がどうあるのか明確に分かっていないため(業績への)影響についてははっきり分からない」と述べるにとどめた。
現在、因果関係を解明するため基礎的な科学データについて検討する厚生労働省のワーキンググループ(座長=大野泰雄・国立医薬品食品衛生研究所副所長)が会合を始めているが、解明に向け中外は「迅速に出来る限り対応できるよう協力、対応していきたい」(永山社長)としている。
一方、親会社であるロシュ(ROG.VX: 株価, 企業情報, レポート)との資本関係については、両社間の契約上、07年10月以降ロシュが中外の株式を59.9%まで買い増すことができる点を指摘。ただ、永山社長は「たとえば51%が55%や57%になっても、ガバナンスや支配権の問題上なんら現状と変わるわけではない」とコメントした。
ロシュは買い増しも可能だが、契約には中外の上場維持も条件に入っている。東京証券取引所の上場維持基準に照らし一定以上は買えないことになる。東証1部の上場維持基準では、上位10者の保有株式比率を75%未満にとどめておかなければ、株式は上場廃止になる。基準日は3月末で、猶予期間は1年間。
© Thomson Reuters 2012 All rights reserved.


ソーシャルメディア特集
欧州債務危機
拡大する反政府デモ