〔焦点〕米ゴールドマン決算にもクレジット危機の影響波及か
[ニューヨーク 6日 ロイター] 2007年度決算で過去最高益を計上し、
サブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン)危機には無縁かと見えた米ゴールドマン・サックス(GS.N: 株価, 企業情報, レポート)。しかし、クレジット危機の拡大により、遂に同社の収益にも影響が波及すると予想されている。
欧米の同業他社が1200億ドル以上の損失を計上するなか、ゴールドマンはサブプライム問題に端を発した金融混乱を乗り切り、昨年過去最高益を計上した。ゴールドマンは大規模なトレーディング及び投資業務を得意としており、モーゲージ業務では脇役でしかなかった。
しかし、今年に入りクレジット危機が深刻化したため、資金調達、買収助言、企業不動産、引き受け、株式投資などゴールドマンが規模を活かし得意としていた業務が打撃を受け始めている。
ゴールドマンはこれまで、予想以上のトレーディング収益で市場予想を上回る利益を上げててきたが、アナリストはここ最近になって収益見通しを下方修正している。
ゴールドマンの2008年度の収益見通しは昨年下期に小幅下方修正されたが、今年2月1日からは13%引き下げられている。
ゴールドマンは3月18日に第1・四半期(12─2月)決算を発表するが、ロイター・エスティメーツによる1株利益予想は3.24ドル。これはレバレッジド・バイアウト(LBO)ブームや投資益で膨らんだ前年同期の実績からはほぼ半減する見通し。
クレジット危機がほぼすべての市場に波及しているため、他の大手金融機関の収益見通しも大幅に引き下げられている。
最も重要な尺度になるのは株式市場だ。金融株の中ではここ何年かリーダー的な存在であるゴールドマンの株価は年初来26%以上下げている。同業他社でこれを上回って株価が下落しているのは、30%安のリーマン・ブラザーズLEH.Nだけだ。
リーマンのほか、ベアー・スターンズBSC.N、モルガン・スタンレー(MS.N: 株価, 企業情報, レポート)などはモーゲージ関連で多額のエクスポージャーを抱えているが、いずれも今後2週間以内に四半期決算を発表する予定。
バーンスタインのアナリスト、ブラッド・ヒンツ氏は「投資銀行収入は落ち込み、個人投資家は投資信託から資金を引き揚げている。景気鈍化により、サブプライム感染はクレジット市場の新たな部分に広がっている。米金融街にとって楽しい時期ではない」と述べている。
企業向けのリスクのある融資は2000億ドル近くあり、ローン債権の買い手はほとんど不在なため、銀行はここ数週間、大幅にディスカウントとしてこれを売ろうとしている。オッペンハイマーによると、大手証券会社は第1・四半期にこのローン債権で最大140億ドルの減損処理を行う見通しという。
監督当局への届出によると、ゴールドマンは11月の07年度末のレバレッジド・ローン残高が簿価で約420億ドルとなっているが、20億ドル近くの評価損を計上すると予想されている。
また、ゴールドマンのバリアブル・インタレスト・エンティティ(VIE)と呼ばれる変動持分の事業体も収益圧迫要因になる可能性がある。短期証券を発行して資産を簿外処するもので、モーゲージ関連の債券などVIEの残高は621億ドルに上るという。
(Joseph A. Giannone記者;翻訳 宮本辰男;編集 石田仁志)
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