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インタビュー:日銀は政策枠組み見直すべき=白井元審議委員
2017年7月7日 / 08:34 / 3ヶ月前

インタビュー:日銀は政策枠組み見直すべき=白井元審議委員

 7月7日、元日銀審議委員の白井さゆり慶大教授・アジア開発銀行研究所客員研究員は7日、ロイターのインタビューに応じ、日銀は金融緩和策の持続性確保と国債市場の機能改善を図るため、金融緩和策の枠組みを見直すべきと提言した。写真は都内で昨年9月撮影(2017年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 7日 ロイター] - 元日銀審議委員の白井さゆり慶大教授・アジア開発銀行研究所客員研究員は7日、ロイターのインタビューに応じ、日銀は金融緩和策の持続性確保と国債市場の機能改善を図るため、金融緩和策の枠組みを見直すべきと提言した。現在の楽観的な物価見通しを現実的なものに修正し、それに応じて国債買い入れ額を段階的に減額していく必要があると語った。

白井氏は、現行のイールドカーブ・コントロール(YCC)政策によって、長期金利がゼロ%程度の低位かつ狭い範囲での動きになっており、「国債市場の機能が崩れ、価格発見機能が無くなっている」と指摘。超低金利の継続によって「政治・企業も低金利に慣れ、必要な改革意識が後退している」とも述べ、こうした状況の長期化は「日本経済の将来にとって危険だ」と警鐘を鳴らした。

昨年1月のマイナス金利の導入によって長期金利が一時マイナス圏に沈むなど急速にイールドカーブのフラット化が進行する中、日銀は金融仲介機能への影響にも配慮し、政策の軸足を「量」から「金利」に移すYCC政策を採用した。

この間、国債買い入れペースは保有残高を年間約80兆円増加させる「めど」から60兆円程度に減少しているとの見方もある。

YCCは「金融緩和策ではなく、金融システム安定化策」とし、「日銀の論理はマイナス金利導入で崩れた。現在の緩和策は目的も不明確になっている」と語った。

このため、手段を含めた金融政策の再検討が必要とし、「国債市場の機能改善と金融緩和策の持続性確保のために、政策の枠組みを全体的に見直すべき」と主張。

具体的には、これまで物価2%目標の達成時期の先送りが繰り返されてきたことを踏まえ、「現実的」な物価見通しの作成・公表が大前提とした。そのうえで「(目標実現までの)期間に合った資産買入額に修正する必要がある」と述べ、「まず国債買い入れを一時的ではなく、50兆円を目指してテーパリングを開始し、その後に市場の状況を見ながらさらに段階的に縮小。長期金利目標もゼロ─0.5%程度などへ移行し、次第に柔軟性を高めていくべき」と提言した。

こうした対応は緩和姿勢の後退と受けとられ、市場が混乱する可能性があるが、「

金融引き締めではなく、持続可能な金融緩和策の枠組みによって日本経済を支えていく、と情報発信をすべき」とし、「一時的に国債金利が上昇するかもしれないが、より客観的な見通しとそれに沿った政策を示す方が、現行政策よりも信頼が高まる」と語った。

*見出しを修正しました。

伊藤純夫、木原麗花

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