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アングル:スペイン、政治停滞が景気減速につながる恐れ
2016年3月18日 / 04:41 / 2年前

アングル:スペイン、政治停滞が景気減速につながる恐れ

 3月17日、スペインで続く政治の停滞が経済に影を落とし始めており、新政権立ち上げに向けた政党間の駆け引きや対立がさらに長引けば、景気が減速する可能性が高まりつつある。写真はマドリードで7日撮影(2016年 ロイター/Paul Hanna)

[マドリード 17日 ロイター] - スペインで続く政治の停滞が経済に影を落とし始めており、新政権立ち上げに向けた政党間の駆け引きや対立がさらに長引けば、景気が減速する可能性が高まりつつある。

消費者が財布のひもを締めているのは心配な兆候の1つだ。マドリードの富裕層地区の店でクラフトビールを販売する男性は「毎週やってきてビールを5杯か6杯飲んでいた常連客の訪れる回数が減り、注文も1杯か2杯に減った」と述べた。

この男性の収入は1月に増えたものの、2月から3月にかけては期待したよりもずっと少なくなった。

昨年12月の総選挙でどの政党も過半数の議席を獲得できなかったことを受けて始まった連立政権樹立の動きは、3カ月近く経過した今も実を結んでいない。

最大野党の社会労働党が主導する左派は議会で信任を受けられず、選挙で最も多くの議席を得た国民党などの保守勢力もパートナー探しが難航している。

こうした事態が経済を圧迫するリスクは大きい。失業率は2008─13年までの経済危機時から下がっているとはいえなお20%を超える。財政赤字を抑制し続ける上でも、景気回復の持続は重要な要素になるだろう。

家計や投資家がより消極的な姿勢になっていることは今後もっとはっきりしてくるかもしれない。

中堅銀行バンコ・ポプラールPOP.MCのアンヘル・ロン会長は「12月以降に各支店から上がってきた情報では、顧客は自動車や住宅の購入に際して幾分慎重になっている」と話した。

BBVAの調査担当者は、政治不透明感によって同社が2.7%と予想している今年のスペインの経済成長率は0.5%ポイント押し下げられかねないとの見通しを示した。昨年の同国の成長率は3.2%と過去8年間で最も高くなった。

国民党の暫定政権は、第1・四半期の成長率は昨年第4・四半期の0.8%からほとんど鈍化しないとみている。

1月と2月の新車販売は堅調なペースで、欧州中央銀行(ECB)による債券買い入れ増額で借り入れコストの上昇は避けられるだろう。

しかしそれほど心強くなれない指標も存在する。1月の住宅販売は年率ベースで見ると過去16カ月で初めて減少し、不動産業界の調査では2月の家賃は横ばいにとどまった。

DBRSのソブリン格付け責任者、ファーガス・マコーミック氏は「政治停滞が経済に悪影響をもたらしているのは間違いない」と強調し、改革に向けた勢いがしぼんでいる点が懸念されるとの見方を示した。

世論調査によると、連立協議が結局成立せずに再選挙が実施されたとしても、12月と同じような各党の割拠状態になってしまう可能性が大きい。

小規模な建設会社を経営するフェデリコ・バスケス氏は「われわれに今、必要なのは(まともな)政府だ」と切実に訴えた。

(Sarah White記者)

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