五輪=柔道北京最終選考会初日は波乱続き、野村や上野が破れる

2008年 04月 6日 09:21 JST
 
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 [福岡 5日 ロイター] 北京五輪代表最終選考会を兼ねた全日本柔道体重別選手権の初日が5日、福岡国際センターで開催され、五輪3連覇中の野村忠宏が60キロ級準決勝で浅野大輔に敗れる波乱があった。同級は平岡拓晃が優勝し、代表(候補)争いは混とんとしてきた。

 その他の階級では男子が66キロ級で内柴正人、73キロ級で金丸雄介、81キロ級で小野卓志、女子では70キロ級で岡明日香、78キロ級で穴井さやか、78キロ超級で塚田真希が優勝した。女子70キロ級で上野雅恵が準決勝で敗れるなど波乱続きの初日となった。

 <動き鈍かった野村、勝負師として持ってはならない感情>

 野村は試合後に「自分の心のどこかに代表になれる、普通にやれば勝てるだろうという気持ちの余裕を持ってしまった」とし、「勝負師として持ってはならない感情を持ってしまった」と語った。

 ただ一回戦から野村の動きは鈍く、ゴールデンスコア方式の延長戦で効果を取って辛うじて勝ったが、次の準決勝では残り1分20秒、浅野に背負い投げから技ありを取られ、その後効果2つをとったものの及ばなかった。全日本男子の斉藤仁監督も「野村の動きは最悪だった。3つメダルを取った人間とは思えない」と振り返った。

 「相手は神様」と述べ、五輪3連覇の野村は別格だという浅野には思わぬ金星となったが、決勝では平岡に敗れた。

 <母の料理で減量を克服した平岡>

 優勝した平岡は2007年に嘉納杯優勝とグルジア国際優勝、08年フランス国際優勝、そして今回の体重別選手権優勝と今、波に乗っている。それまでは減量に苦しむなど成績が安定しなかったが、母親が料理を作りに来てくれるようになってからスムーズに減量できるようになったという。

 筑波大学の岡田弘隆柔道部監督は「これまで減量で青白く痩せているときもあったが、きょうは精悍(せいかん)な顔で試合前の動きも今までみたことがないくらい良かった」と語った。元々あった実力が安定して出せるようになってきたことが大きいという。

 代表選考(出場枠未獲得の階級は代表候補)はあす6日の強化委員会に委ねられるが、岡田監督は平岡について「嘉納杯以来の充実ぶりは注目に値すべきものだろう」と教え子の成長に目を輝かせている。

 実績の野村か、伸び盛りの平岡か──斉藤監督は「五輪3連覇というオーラを取るか、(平岡の)勢いをとるか、じっくり考える」と試合後述べている。

 <有力選手が早々敗れる波乱続く>

 そのほかの階級でも有力選手が決勝を前にして敗れる波乱が続いた。女子70キロ級でアテネ金メダルの上野雅恵が準決勝で敗退。女子78キロ級でも07年世界選手権銀メダルの中澤さえが一回戦で姿を消した。男子66キロ級でも2008年オーストリア国際優勝の秋本啓之が決勝を前に敗れた。

 上野は試合後、「自分の組み手になれず相手に合わせてしまった。早めに展開していけばよかった」と反省。代表選考に関しては「祈るしかない」と小さい声で語った。秋本は「何も考えられない」とショックを受けていた。

 <内柴は再び崖っぷちから這い上がる>

 内柴はアテネで金メダルを取ったときも崖っぷちからの栄光だった。60キロ級から66キロ級に階級を上げてゼロからの出発。今回もちょうど3年前の同じ体重別選手権以来、優勝から遠ざかっていた。「どこかに自分はチャンピオンになったことがあるという驕りがあって、怪我などを理由にしたり、試合にびびっているところがあって、落ちるところまで落ちた」と内柴は振り返る。

 北京五輪代表争いで崖っぷちに立たされたことで火がついた。「負けたら終わり思うようになって技が出るようになった」という。斉藤監督も「アテネと同じ動きだった」と評価した。

 金メダルを持って帰るという4歳の息子との3年越しの約束を北京で果たしたいと心に期している。

(ロイター日本語ニュース 伊賀大記 記者)

 
 

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