訂正:追加緩和で輸出株に追い風、前回はソニーが全体リード
水野 文也記者
[東京 17日 ロイター] 日銀が17日(訂正)の金融政策決定会合で追加緩和策の実施を決め、株式市場では輸出関連株に追い風が吹くとの見方が出ている。
昨年12月の緩和策決定後も、外為市場でドル高/円安が進展し、ソニー(6758.T: 株価, ニュース, レポート)などが相場全体をリードした経緯があり、今回も円安期待が膨らめば、外需型企業の収益回復期待が高まり、相場のけん引役になるとの見方が広がりつつある。
今回の日銀の決定と株価との関連で、市場関係者の多くが注視しているのが外為市場での円相場の動向だ。野村証券金融経済研究所が経常57%増益、大和証券キャピタルマーケッツは47%経常増益──と大手証券が、2011年3月期企業業績見通しについて、鋭角的な利益の伸びを想定する中、収益の急回復が輸出に支えられている現状を踏まえると、円相場の行方に関心が集まりやすくなるとみている市場参加者が多い。
今回の追加緩和策に対しても、国内のデフレへの直接的な対策という色彩は弱く、日米金利差を念頭においた円安要因の1つとして捉える傾向がある。実際、米連邦公開市場委員会(FOMC)で、金利を長期間ゼロ付近に維持する方針をあらためて示され「決定会合で緩和策が見送られた場合、マーケット参加者が描いていた円安シナリオが崩れる可能性もあった。きょうの前場で日本株がもたついたのは、そうしたリスクもあったためだ」(準大手証券情報担当者)の声も出ていた。発表後一時的に円高に振れる場面がありながら、その後は円がジリ安に進んだことを背景に、株価は上向き基調を鮮明にした。
こうした中、物色対象としては輸出関連株が優位に立つとの見方が出ている。「内需株と外需株、どちらの収益見通しがより明るいかと言えば、輸出好調の外需株。外為市場で円安シナリオが描けるようになれば、こうした見方により拍車がかかる」(SMBCフレンド証券・シニアストラテジストの松野利彦氏)というのがその理由だ。みずほインベスターズ証券・エクイティ情報部長の稲泉雄朗氏は「今後は一段と為替との連動性が高まることになるだろう。次回の米雇用統計が少しでも改善すれば、米利上げ観測から日米金利差が拡大、円安に振れる可能性が高くなる」と指摘。その上で「次の米利上げは景気回復を伴う良い利上げであり、日本では輸出株が買われ、指数を押し上げるだろう。コスト削減などで損益分岐点が下がっている日本企業の増益余地は大きい。海外勢は業績の変化率にも注目して日本株を物色することになりそうだ」と予想する。
日銀が追加緩和策を実施した昨年12月以降の相場動向を検証すると、輸出関連株のパフォーマンスが相対的に高かった経緯があり、これが今後の物色の流れを示唆するとの見方もある。
かつては金融緩和の局面で、金利敏感株と称される金融、不動産、電力、商社などのセクターが相場のリード役になるケースが多かった。ところが、TOPIXCore30における前回の緩和策表明の昨年12月1日から昨日までの騰落率は、
1位のソニー(6758.T: 株価, ニュース, レポート)をはじめ電機・自動車など輸出関連株が目立つ。金融(3メガ銀行など)、不動産(三菱地所(8802.T: 株価, ニュース, レポート))、電力(東京電力(9501.T: 株価, ニュース, レポート)、関西電力(9503.T: 株価, ニュース, レポート))はほとんどが上昇率1ケタ台かマイナスとなった。例外は商社株だが、これは金利敏感としての側面ではなく、商品市況の上昇期待から資源・エネルギー関連株として評価されたという。
明和証券・シニアマーケットアナリストの矢野正義氏は「来期の大幅増益に対する期待感から買っている相場であるため、円安が読めるようであれば、リード役になる輸出関連株の上昇に弾みがつく。このシナリオは変わらない」とコメントしていた。
他方、相場がさらに上値を追うような展開になった場合は、外需・内需といった区別なく、全面的に買われるとの見方もある。丸三証券・副社長の水野善四郎氏は「収益急回復が見込まれているのにもかかわらず、PBR1倍割れの銘柄が全体の6割もあり日本株の割安感は強い」とした上で「こうした点を踏まえ、海外勢が日本株に目を向けているが、それを支えにパッシブ運用が活発化すると、業種に関係なく上がる可能性が高まる」と指摘していた。
*1段落目の「日銀が18日の金融政策決定会合で」を「17日の」に訂正し、デートラインを18日から17日に修正します。
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