インタビュー:販売支援力がカギ、08年度末株投信残高11.5兆円目標=樋口大和投信社長

2007年 10月 19日 12:57 JST
 
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 [東京 19日 ロイター] 大和証券投資信託委託の樋口三千人代表取締役社長はロイターとのインタビューで、説明責任が重視される日本の投信営業では、販売サポート力のある運用会社に強みがあるとし、自社運用と近年の集中投資で厚みの出た販売支援部隊で市場に攻勢をかける意向を示した。また2006年に策定した新中期経営計画(3カ年目標)を上方修正し、最終年度となる09年3月末の公募株式投信(除くETF)残高目標をこれまでの8.5兆円から11.5兆円に、経常利益予想を同150億円から250億円に引き上げたことを明らかにした。

 

 インタビューの要旨は以下の通り。

 

 ──今年で設立48年。50年目となる09年に向けての目標は。

 

 「昨年、グループとして新中期経営計画を策定した。想定以上のペースで業容は拡大している。初年度で一部の目標を達成したこともあり、2年目に目標を上方修正した。最終年度の公募株式投信(除くETF)残高は当初目標の8.5兆円から3兆円積み増し11.5兆円に、経常利益目標は同150億円から100億円上乗せの250億円とした。就任時の公募株式投信残高(除くETF)は1.6兆円。これまでの公募株式投信の過去最高残高である6兆5612億円(89年12月末)も直近でクリアしている。説明責任が問われる日本の投信販売では、販売サポート力のある運用会社が伸びていくとみている」

 「現在、投信に関するアンケートでは、依然として7─8割の人が投信を保有していないという。こうした、どちらかというと投資に慎重な人達が今後投信を保有するようになる『貯蓄から投資へ』の第2ラウンドが(日本の投信市場には)控えている。将来の投信市場の拡大に伴い、当社は市場以上の伸びを実現していきたい」

 

 ──市場以上の伸びを獲得していくための秘策は。

 

 「運用については先行投資を続けてきた。自社運用にとことんこだわっている。近年は人・モノ・資金のあらゆる面で販売支援に集中投資している。自分が営業あがりということもあるが、社長に就任して以来、営業に力を入れてきた。(就任以来)2年半の間に販売支援部隊の人数は倍増し、今回の組織改編で誕生したマーケティング部は132人(全従業員は約460人)を抱える大所帯だ。商品の説明などを専門に行う女性だけで組成した約30人のプレゼン部隊は販売会社からは好評だ」

 

 ──業界内では、採用の面で難しいと聞く。

 

 「確かにそういう面もある。ただ人数だけを揃えればいいというのではなく、個々の質、レベルにこだわっている。中途採用でカバーした部分もあるが、最近は新卒、第2新卒など若い人を採用し育てていく方向だ。来春の採用は約40人を予定している」

 

 ──自社運用にこだわる理由は。

 

 「今回施行された金融商品取引法も関係してくるが、日本における投信営業では、説明責任が非常に重要なポイントになる。きちんと説明できるのは自社で組成し運用するものだ。ファンド・オブ・ファンズ(FOFs)でなく、ファミリーファンド方式の運用にこだわっている。REIT(不動産投信)のように物件精査が難しく費用対効果が合わないものについては、仕方のないケースもあるが、できるだけ外部委託しない方針だ。従って商品のバリエーションを増やすために外部委託先を増やすようなことはしない。自社運用だけで投資家のニーズに十分対応でき、商品組成できるだけの体制が整っている」

 

 ──金融商品取引法の影響は。

 

 「金商法施行後、間もないが、証券会社では影響を感じないものの銀行での販売が影響を受けているようだ。営業現場が新法下での販売に慣れず、少し(販売の)かたちにこだわりすぎている気もする。ただ今回の金商法の件は、今後銀行が投信販売で飛躍していくための一つのステップになるのではないかとみている」

 「銀行が投信販売に参入して9年、商品の品揃えも一巡した。そういう意味で、原点に帰った販売に回帰するいいチャンスだと思う。『シンプル イズ ベスト』、つまり、説明のできる範囲で販売するスタイルを徹底することも重要だ」

 「現在、再び債券型ファンドに人気が出てきている。世界各国の債券に1万円から投資できる商品が組成できるのは投信ならではで、プロならではの運用を可能にしている。債券は時が稼いでくれるという部分もあり、投信として最適な商品ではないか。現在は銀行向けに、いろいろな債券を組み入れた投信の販売に力を入れている」

 

 ──証券税制について、どう考えるか。

 

 「投信を独自の枠として取り扱ってもらいたいと思っている。現在、日本では債券型ファンドの人気が盛り上がってきているが、この芽を摘むようなことはしたくない。優遇税制は始まって5年も経っていない。『貯蓄から投資』への流れを止めないためにも、新たな措置を講じる必要があるのではないか」

 「世界では個人の確定拠出年金制度の普及・拡大が投信市場の急速な拡大につながった。少額で長期で分散投資できる投信は、年金に最適な商品だ。個人の年金商品に関する税制をはじめ、国がきちんと年金問題に対応することで、実は将来の国の負担を軽減することにもつながるのではないか」

 

 *インタビューは18日に実施しました。

 
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