〔株式スコープ〕原油高で業種間に収益格差、厳しい金属製品・陸運・流通
<東京市場・27日>
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関連業種 | 前場終値 | 前日比 | 年初来高値 | 年初来安値 |
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金属製品 | 961.02| ─20.03| 1397.27| 941.47|
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陸運業 | 1501.44| ─22.27| 1841.23| 1466.33|
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流通業 | 704.80| ─15.20| 936.19| 689.08|
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水野 文也記者
[東京 27日 ロイター] 原油価格上昇で業種間の収益格差が広がりそうだ。ドル
安/円高である程度は原油高に伴うマイナス分が相殺される一方、価格転嫁で乗り切ろう
とする企業も少なくないが、値上げが難しい業種については、1バレル=100ドル乗せ
を目前にしている原油価格が止まらない場合、一段と深刻度が増すことになる。市場では
金属製品、陸運、流通などが、とりわけ原油高で厳しい状況に陥るとの見方が出ていた。
26日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)の原油先物相場は、石油
輸出国機構(OPEC)による増産観測から反落、米国産標準油種WTIの中心限月1月
物は前週末終値比0.48ドル安の1バレル=97.70ドルで取引を終えた。
市場関係者によると「今まで増産に反対していたイランも前向きになってきたなど、O
PECが12月5日の総会で生産量の引き上げを決めるとの見方が広がっており、利益確
定売りに押された」(商品先物関係者)という。
このまま調整入りする可能性も指摘されているものの、原油価格が下落トレンドに転じ
るといった雰囲気はない。現在の原油高については「他のコモディティと同様、ドル安に
対するヘッジという視点で資金を呼び込んでいる。そのため、サブプライムローン(信用
度の低い借り手向け住宅ローン)問題が解決する方向が見えない限り、原油は高止まりす
る可能性もある」(かざかコモディティ・主席アナリストの鈴木孝二氏)との声も出てお
り、依然として先高感が消えていない状況だ。「WTI先物が瞬間的にでも100ドルを
乗せるまでは止まらない可能性もある」(商社関係者)とみる関係者もいる。
ただ、このまま原油高が続いたとしても、企業業績に対する影響は避けられないながら
、全体としては決定的なダメージにはならないとの見方が多い。実際、ここにくるまでの
東京株式市場は、下げた理由としてドル安/円高、米国株安などが挙げられることがほと
んどで、原油高が株価を引き起こしたとみる関係者はほとんどみられない状況だ。
丸三証券・専務の水野善四郎氏は「ひと頃に比べて企業の原油高に対する抵抗力が強く
なっている一方、ドルが下がれば、その分だけマイナス分は相殺される」と指摘する。
他方、原油価格上昇は、業種別の影響をみた場合、収益格差をもたらす要因になる。原
油高によってオイルマネーが潤沢になり、それが株式市場の需給改善要因として挙げられ
ているが、産業界にとってもメリットが生じる。ある生保系投信の運用担当者は「原油高
で資源国の輸入が活発化し、これらに向けて輸出している企業はプラスに働く面もある」
と話す。さらに、価格転嫁や在庫影響などによって収益が維持できるケースも少なくない
。半面、価格転嫁が難しい内需型の業種では、コスト増に悩み続けることになる。
この点について第一生命経済研究所・主任エコノミストの永濱利廣氏は「対資源国への
輸出入増加の恩恵を受けやすい鉄鋼や電気機械、オイルマネーなどによる過剰流動性によ
り地価上昇の恩恵を受けやすい不動産ではプラスの影響が及ぶ」とする一方で「原油投入
比率が高く価格を転嫁しにくい金属製品や運輸、流入などではマイナスの影響が及ぶ」と
分析する。
永濱氏によると、鉄鋼については資源国向けの輸出が好調なことに加えて価格転嫁がし
やすいセクターであるのに対し、金属製品への悪影響が大きいのは値下げ圧力の強い大企
業の下で部品供給をするなど中小企業の比率が高いためという。流通についても価格転嫁
がしにくいうえ、個人消費への悪影響を通じて売上高が抑制されていると指摘していた。
もちろん、原油価格がこのまま100ドルを大きく超えて上昇し続ければ、全体に及ぼ
す悪影響が深刻になるとの見方が支配的だが、現状ではそこまで想定する関係者は少ない。
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