〔株式スコープ〕原料高に苦しむ食品各社、値上げ浸透と海外拡販がカギに
<東京市場・12日>
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関連銘柄 | 終値 | 前日比 | PER | PBR | 利回り |
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キッコーマン(2801.T: 株価, ニュース, レポート) | 1420円| +15円| 25.4| 1.58| 0.85|
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味の素(2802.T: 株価, ニュース, レポート) | 1234円| ─28円| 25.7| 1.39| 1.30|
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ニチレイ(2871.T: 株価, ニュース, レポート) | 453円| 変わらず| 31.5| 1.24| 1.77|
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日清食品(2897.T: 株価, ニュース, レポート) | 3760円| ─80円| 35.5| 1.61| 1.33|
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*PER、PBRは倍。利回りは%。PER、利回りは予想値から算出。
水野 文也記者
[東京 12日 ロイター] 食品会社の収益見通しが厳しくなっている。穀物市況の
上昇などを背景に原料高に直面する一方、国内需要が鈍化し、売り上げ伸び悩み下でのコ
スト上昇に苦しんでいる。この二重苦を打開する方策として、国内での製品値上げと好調
な海外での拡販が業績浮上のカギとして市場の注目を集めつつある。
中間決算発表で食品会社の業績下方修正が目立つ。2008年3月期連結決算の営業利
益見通しについて、キッコーマン(2801.T: 株価, ニュース, レポート)が240億円から230億円(前年比6.3%
増)、ニチレイ(2871.T: 株価, ニュース, レポート)が183億円から168億円(同7.4%減)、日清食品<2897.
T>が310億円から265億円(同21.4%減)に引き下げている。味の素(2802.T: 株価, ニュース, レポート)も
750―800億円から750―775億円にレンジの下限を下方修正した。
<人口減少で家庭用食品の需要が減少傾向>
人口総減少時代を迎え、先行き食品の国内需要が落ち込んでいくとみられている中、各
社の決算動向をみると、既にその兆候が出始めている。ニチレイでは家庭用調理冷凍食品
など加工食品が不振、日清食品でも国内販売の低迷を下方修正の理由の1つとして挙げて
いた。
さらに収益環境の悪化に拍車をかけているのが、商品市況の高騰に伴う原料価格の上昇
だ。大豆、トウモロコシ、小麦とジャンルを問わず全般的に価格上昇が止まらず、利益を
押し下げる要因になっている。業界関係者の間からは、既にコスト削減による原料高の吸
収は難しい段階まできたと訴える声が多い。そうした中で、製品価格の値上げを実施する
企業が増えている。
<値上げでこわい消費者離れ>
来年1月から値上げに踏み切る日清食品の中川晋専務は「今後とも小麦価格は年2─3
回上がるのはみえており、そうした状況下、各社とも海外からの資材調達の実施、物流費
抑制などコスト削減策も限界に達しているのではないか」と話す。
味の素の紅松喬常務は「コストを吸収するため価格改定は必要に応じて行う方向。ただ
、実施する場合は商品に付加価値を付けるほか、値上げによる数量減などを考慮しながら
慎重に対処する」と指摘。当面、値上げは白紙とするキッコーマンの牛久崇司社長も「ト
ップメーカーとして軽々しく値上げの話はできないものの、この問題は最大の懸案事項」
と語っていた。
ただ、値上げは「利益面での改善はある半面、顧客離れが懸念される諸刃の剣のような
もの」(日清食品の中川専務)という。ただでさえ需要は緩やかに減少に向かっているた
め、値上げが消費者にどれだけ受け入れられるかが焦点となる。
<新興国での販売が好調>
他方、収益の下支え要因となっているのが、海外での需要拡大だ。キッコーマンでは、
主力のしょうゆ事業は、北米での需要が堅調なほか、ロシアや中近東の開拓により海外向
けが拡大。中間期の実績で国内が鈍化する中、海外事業の営業利益は2ケタ増を確保した
。ニチレイや日清食品でも中間期の実績で海外向けの売上増加が目を引く。
海外食品が東南アジアやブラジル、ペルーなどの南米向けに家庭用調味料を中心に伸び
ている味の素によると「国内の落ち込みを、海外の伸びでカバーする格好となっている」
(同社の紅松喬常務)という。
今後は、価格改定の浸透とともに、いかに海外での販売を増加させるかが食品会社の業
績動向をみるうえでのポイントになりそうだ。
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