国際競争力強化で報告書案、日本版SWFの設立検討を盛り込む=自民金融WT

2008年 05月 9日 18:13 JST
 
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 [東京 9日 ロイター] 自民党の国際競争力調査会・金融ワーキングチーム(座長=田中和徳衆院議員)は9日、日本の金融・資本市場の競争力強化のための報告書とりまとめについて議論した。報告書の骨子案には、日本版政府系ファンド(ソブリン・ウェルス・ファンド=SWF)の設立検討のほか、公的年金の収益目標の明確化が具体的施策として盛り込まれた。SWFの設立には慎重意見も出たが、田中座長中心に、近く報告書のとりまとめを目指す。

 同日の会合で提示された報告書の骨子案によると、外貨準備や政府が保有する不動産を運用する日本版SWFの設立検討については「政府保有資産のうち数百兆円を国のバランスシートから切り離し、国の監視の下で、世界最高のプロによる資産運用を行うことを含めた国の資産運用のありかたの見直し」と明記された。

 公的年金の運用は、リスク資産への運用促進のため「国内外株式比率40%以上」とする目標を定めることを求めた。公的年金を運用する「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)」への内外からのトップクラスのファンドマネジャーの招へいや、公的年金運用の5年間の平均収益率を実績の2倍にあたる7%以上とする目標の明確化も盛り込まれた。

 約1500兆円にのぼる個人金融資産を投資に向けるため、老後世代に対する普通預金から投資にシフトさせる仕組みが重要と指摘。M&A(合併・買収)や金融工学に強い金融人材の育成のための資格創設の検討や、大学での金融学科の新設を促進させることも示された。

 このほか、1)英語での上場申請を認める金融市場の開設、2)銀行グループの業務範囲にイスラム金融取引を加える制度整備、3)排出権取引市場の確立――なども盛り込んだ。

 <SWFの設立には慎重意見も>

 会合での骨子案をめぐる議論では、日本版SWFで外貨準備を運用する考えについて、毎年の運用益部分だけを別会計に切り離して運用する方法や、米国債に偏った運用から、米国の株式・不動産・金融派生商品に投資対象を広げる考えが示された。

 ただ、出席した議員からは「まずは外貨準備の規模を縮めることを考えるべき」として反発する意見が出されたほか、「日本版SWFを設立するなら透明性を高めなければならないが、透明化にすることで使いにくくなる。日本でのSWFは非常に難しいのではないか」とする慎重意見もあった。

 田中和徳座長は会合で、「SWFは議論の渦中で(賛否の)両方がある」と指摘。金融ワーキングチームの正式な報告書については、同日の議論を踏まえて、田中座長を中心にとりまとめを図っていく考えを示した。

 
 

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