〔株式スコープ〕輸出株と内需株に明暗、円高メリット受ける銘柄に物色広がる

2008年 12月 2日 15:30 JST
 
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   <東京市場・2日>

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  関連銘柄     |  終値  |  前日比  | 年初来安値 |対安値騰落率|

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王子製紙(3861.T: 株価, ニュース, レポート)   |      442|     ─13|      321|     37.6|

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新日本製鉄(5401.T: 株価, ニュース, レポート)  |      270|     ─19|      243|     11.1|

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ソニー(6758.T: 株価, ニュース, レポート)    |     1751|     ─85|     1766|    ─0.9|

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トヨタ自動車(7203.T: 株価, ニュース, レポート) |     2825|    ─120|     2840|    ─0.6|

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東京電力(9501.T: 株価, ニュース, レポート)   |     2860|     ─15|     2215|     29.1|

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東京ガス(9531.T: 株価, ニュース, レポート)   |      455|     +18|      339|     34.2|

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ソフトバンク(9984.T: 株価, ニュース, レポート) |     1288|     ─55|      636|    102.5|

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*単位は円、%。対安値騰落率は年初来安値から2日終値までの騰落率を示す。

 水野 文也記者

 [東京 2日 ロイター] ドル安/円高が進行したことを受けて、輸出関連株と内需

関連株に明暗が生じている。主力の電機・自動車株の中には年初来安値を割り込んだもの

が目立つ反面、電力・ガス株は逆行高を演じた。米景気が一段と悪化する中で輸出関連株

は先行き不透明感を強めており、厳しい相場環境を乗り切るため円高メリットでテーマ物

色しようとする動きが出ている。

 1日の米株式市場では、全米経済研究所(NBER)が米経済のリセッション(景気後

退)入りを2007年12月からと発表したことや、バーナンキ米連邦準備理事会(FR

B)議長が米経済は依然かなりの緊張下にあると発言したことも圧迫材料となり、ダウ工

業株30種.DJIが前日比679.95ドル安の大幅安。さらに外為市場では、ドル/円

JPY=が93円台で推移するなど、日本の輸出関連株にとって厳しい状況となり、ソニー

(6758.T: 株価, ニュース, レポート)やトヨタ自動車(7203.T: 株価, ニュース, レポート)など代表的な関連銘柄が相次いで年初来安値を更新した。

 市場では「2009年3月期のドル/円想定レートを95円─100円に設定している

企業が多い。第2四半期決算発表時に通期見通しの減額が目立ったが、ここから一段と円

高に振れると、再度下方修正を余儀なくされる企業が増えそうだ」(準大手証券情報担当

者)との声が出ており、いったん下方修正を織り込んだ形となった株価が、さらなる業績

下押しがあると懸念する動きとなっている。

 

 輸出関連株が嫌気したのは円高だけではない。米供給管理協会(ISM)が1日発表し

た11月の製造業部門指数は36.2と前月の38.9から低下して1982年以来の低

水準となるなど、主要輸出先である米国景気が一段と悪化し、製品需要がさらに落ち込む

との懸念が売りを誘っている。複数のエコノミストによると、この落ち込みは成長率換算

で年率マイナス4%になるほどのインパクト。日本国内でも、10月鉱工業生産で示され

た10 12月の生産見通しは過去最大の落ち込みになる公算が大きく、輸出企業を中心

に製造業の売上高が、これまで経験したことのない落ち込みを記録する懸念が高まってい

る。

 クレディ・スイス証券・ストラテジストの市川眞一氏は「米国のPMIは、日本を除く

G7の景気先行指数との連動性が極めて高く、日本の景気や企業業績にも格好の先行指標

となる」と前置きした上で「PMIの底入れが見えない以上、日本以外のG7各国の景気

が上向く可能性は低い。循環的な側面から、バリューを理由に国際優良株を買うのは時期

尚早だ」と分析していた。

 <円高でコスト圧縮期待できる電力、ガス各社に投資家の熱い視線>

 このように主力の輸出株がリードする形で2日の東京株式市場は、日経平均が前日比で

500円を超す下げ幅を記録、11月21日以来の8000円割れとなった。

 だが、そうした中で底堅い動きをしたのが、円高をメリットにできる内需関連株の一角

だ。とりわけ東京電力(9501.T: 株価, ニュース, レポート)、東京ガス(9531.T: 株価, ニュース, レポート)など電力・ガス株は、大引けにかけて

伸び悩んだものの、終盤まで逆行高していたのが目を引いた。

 野村証券では、原油価格と為替の前提を原油安、円高方向へ変更し、電力・ガス各社の

経常利益予想を上方修正した。原発利用率の改善による中長期的な利益の回復ポテンシャ

ルが高い東京電力、東北電力(9506.T: 株価, ニュース, レポート)に引き続き注目するとしている。

 そのほか、2日の市場で下げた内需関連株の中でも、10月─11月に年初来安値から

のパフォーマンスが良好な銘柄が少なくない。たとえば、安値から2日終値までの騰落率

を計算すると、ある外資系証券の試算で1円の円高で7億円の増益要因となる王子製紙

(3861.T: 株価, ニュース, レポート)は37.6%、同じく30億円の増益要因と試算される新日本製鉄(5401.T: 株価, ニュース, レポート)が

11.1%とそれぞれ上昇率を記録し、新安値を記録したソニー、トヨタ自動車とは対照

的な動きとなっている。

 国際優良株は相対的に海外勢の保有比率が高く、今後も換金売りを浴びるリスクが大き

いが「内需関連株は電力株だけでなく、ソフトバンク(9984.T: 株価, ニュース, レポート)、ヤフー(4689.T: 株価, ニュース, レポート)あたりま

で範囲を広げると、買いセクターとなっている個人投資家が好む銘柄がそろう。円高とい

う手掛かりもあり、物色面は内需株の優位の流れが続きそうだ」(大和総研・チーフテク

ニカルアナリストの木野内栄治氏)という。

 野村証券・チーフストラテジストの岩澤誠一郎氏はリポート中で「円安メリット銘柄の

抽出は比較的容易だが、円高メリット銘柄の抽出は円高でコストメリットを受ける経路が

複雑なケースや、価格戦略への影響まで考慮しなければならないので簡単ではない」とし

ながらも「素原材料の多くを輸入に依存する日本では、円高の恩恵を受ける企業は潜在的

に少なくないはずだ」と指摘。仮に円高が一段と進行した場合、円高メリット株を探す動

きが活発化しそうだ。

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(ロイター日本語ニュース 編集 田巻 一彦)

 
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