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景気下振れには追加緩和も選択肢=日銀議事要旨
2012年11月2日 / 01:16 / 5年前

景気下振れには追加緩和も選択肢=日銀議事要旨

11月2日、日銀が公表した10月4、5日開催の議事要旨では、さらなる景気の下振れには追加の金融緩和が選択肢になるとの見解を一部の政策委員が示していたことが明らかになった。写真は昨年10月、都内の日銀で撮影(2012年 ロイター/Yuriko Nakao)

[東京 2日 ロイター] 日銀が2日に公表した10月4、5日開催の金融政策決定会合の議事要旨では、さらなる景気の下振れには追加の金融緩和が選択肢になるとの見解を一部の政策委員が示していたことが明らかになった。

会合には前原誠司経済財政担当相が担当閣僚として9年半ぶりに出席。日銀が掲げる事実上の物価目標達成に向けて結果を出すことが重要と述べ、強力な金融緩和の継続を要請していたこともわかった。日銀は10月30日の金融政策決定会合で11兆円の資産買い入れ基金増加による追加金融緩和を決定している。

会合では、海外経済について「減速した状態がやや強まっている」との認識が共有され、日本経済の回復時期も従来の見通しから「半年程度後ずれし、年明け以降になる」との見方を何人かの委員が表明。さらに、日中関係の悪化が「両国の貿易や投資活動、来日観光客数などへの影響を通じて、わが国経済を下押しする可能性」にも多くの委員が言及するなど、景気の先行き懸念がうかがえる。これらの点を踏まえ、何人かの委員は、海外経済減速の長期化が日本経済の回復時期をさらに後ずれさせる可能性にも触れ、「生産や景気動向指数の動きなどを踏まえると、事後的に、景気の後退局面入りが認定される可能性も排除できない」と指摘。日銀が事実上の目標に掲げる消費者物価の前年比上昇率1%の到達時期についても、「2014年度以降、遠からず」との当時の見通しが「実現するがい然性はこれまでより低下してきている」と1人の委員が述べている。

こうした慎重な景気認識を踏まえ、金融政策運営についてある委員が「景気や物価の見通しがさらに下振れたり、見通しをめぐるリスクが大きく高まるような場合には、さまざまな選択肢を排除することなく、適切な措置を講じていく必要がある」と追加緩和の必要性を示唆。別の委員が「為替相場への働きかけなどインフレ期待を高める一段の工夫が必要」との認識を語っている。その上で、強力な金融緩和の推進で実現している緩和的な金融環境の実体経済への波及の必要性についても議論が行われ、何人かの委員が「企業向け貸出が実際に増加していくよう、金融機関の活動をより直接的に後押しする工夫を検討していく必要もある」と主張。10月30日の会合で導入を決めた金融機関の貸出増加支援策につながる議論も展開されている。

会合では、内閣府から出席した前原経財相が「日本銀行には、政府の取り組みと歩調を合わせ、金融政策面からの最大限の努力をお願いする」と意見を表明。日銀が事実上の目標に掲げる1%の物価上昇率を「できる限り早期に実現し、結果を出すことが極めて重要」と強調し、「デフレ脱却が確実となるまで、強力な金融緩和を継続するよう期待する」と述べた。これを受けてある委員は、政府に対して「日本再生戦略」の着実な実現を求めるとともに、デフレ脱却に向けて日銀としても「使命を果たしていきたい」と応じた。

会合では、9月に資産買入基金の10兆円増額という追加金融緩和を決めたこともあり、金融政策の現状維持を全員一致で決定。景気の現状認識を「横ばい圏内の動き」とし、それまでの「持ち直しの動きが一服している」から表現を修正した。

(ロイターニュース 伊藤純夫;編集 山川薫)

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