Reuters logo
日本郵政とアフラック、業務提携拡大で基本合意
2013年7月26日 / 06:37 / 4年後

日本郵政とアフラック、業務提携拡大で基本合意

7月26日、日本郵政と米保険大手のアメリカンファミリー生命保険(アフラック)は業務提携拡大で基本合意したと発表した。昨年12月撮影(2013年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 26日 ロイター] - 日本郵政と米保険大手のアメリカンファミリー生命保険(アフラック)は26日、業務提携拡大で基本合意したと発表した。

アフラックのがん保険の販売拠点を現行の1000カ所から全国2万の郵便局に拡大することを目指すほか、かんぽ生命保険の直営79支店でアフラックのがん保険の新規取り扱いも開始する。アフラックは郵政グループ専用商品の開発を検討する。

会見した日本郵政の西室泰三社長は「日本のがん保険市場で一番実績のあるアフラックとの協力を深化・発展させることで顧客の利便性が高まり、企業価値の向上も図れる」と指摘。「収益の向上は(2015年予定の)上場を目指す上で大変意義がある。復興財源の確保を通じ、国家財政にも貢献する」と述べた。

一方、アフラックのダニエル・エイモス会長兼最高経営責任者(CEO)は、郵政グループは全国に拠点を持ち、日本で最も信頼される会社の1つだとし、「両社は最高品質の商品とサービスを、広範な販売ネットワークを通じて提供するために非常に良い組み合わせだ」と提携拡大の意義を強調した。

<2万局での扱い、「すぐにとはいかない」>

提携の具体的な柱は、1)郵便局でのアフラックのがん保険の取り扱いを現在の1000局から最終的に2万局に拡大、2)かんぽ生命の79支店でアフラック商品の取り扱いを開始、3)日本郵政グループ向けの専用商品をアフラックが開発──の3点とした。

ただ、これらの取り組みが実現する時期などは明示されなかった。2万局の郵便局の中には小規模な局もあるため、かんぽ生命の石井雅実社長は「きちんとした業務執行体制を築いていくとなると、すぐにとはいかない」と指摘した。かんぽ生命は、がん保険の受託販売だけでなく、郵便局への営業推進や教育の面で一部業務も受託する。具体的な支援体制は「これから計画を立てていく。できるだけ早期に販売できる体制を築きたい」と述べるにとどめた。

<がん保険以外への提携拡大、「内心、期待」>

がん保険以外にも、医療保険の扱いなど将来的な提携範囲の拡大には含みを残した。日本郵政の西室社長は「まずこの提携をして、仕事を始めて、その中で何か新しいことができるかもしれないという可能性は内心、期待している」と述べた。ただ「具体的なことは何も決まっていない」という。一方、アフラックとの株式持ち合いについては「将来でもあまり可能性はない」(西室社長)との見方を示している。

かんぽ生命は、日本生命保険とも提携関係にある。かんぽ生命の石井社長は、日生との提携はがん保険の開発に限定されたものではなく包括的な提携だとし「関係は継続していきたいと考えている」と述べた。

日生は同日、「かんぽ生命とは2008年から5年以上にわたり、様々な面で協力してきた経緯があり、今回の話は遺憾だ。今後については、かんぽ生命と話をしていきたい」とのコメントを出した。

郵政とアフラックの提携関係の強化によって、民業圧迫になりかねないとの指摘が出ていることに対しては、郵政の西室社長が「郵便局が従来通り存在するための必要な手段を講じているその一環だ。ほかの保険会社や民業とされる方々に迷惑をかけるつもりは毛頭ない」と主張した。アフラックの日本における会長のチャールズ・レイク氏は、郵政が複数の保険会社と提携している点を指摘し「(今回の提携が)なんらかのネガティブな形で他社から評価されることはないと思う」と述べた。

生命保険協会は同日、今回の提携について「すでに行われている代理代行業務の範囲を拡大するものと理解している。個社の経営判断の範疇との認識で、当会は賛成・反対を表明する立場にない」とのコメントを公表した。

<TPPの二国間協議にも「いい影響」>

政府が株主の日本郵政による事業拡大は、対等な競争環境の確保を求める米国の主張の前で困難となっていた。環太平洋連携協定(TPP)交渉に関連した日米の二国間協議でも、保険分野は焦点の一つとされていた。

アフラックのレイク氏は「国有企業の日本郵政グループが民間企業のアフラックとの間で、建設的なビジネス・パートナーシップを内外無差別で実現した。国際社会で大変重要な意味深い事例として評価されると確信している」と指摘。企業同士の提携のため、政府間交渉とは関係ないとしながら「(二国間協議にも)いい影響があるのではないかと思う」と述べた。

郵政の西室社長も「結果的にそういう(二国間協議にいい影響が出る)ことになるかもしれない」と述べた。ただ「何か影響が出ること期待してやったわけではない」とも指摘。「政府から是非アフラックと手を握れとは、一度も聞いたことない」と述べ、株主である政府から何らかの圧力があったのではないかとの見方を否定した。

(ロイターニュース 平田紀之;編集 山川薫 内田慎一)

*内容をさらに追加します。

0 : 0
  • narrow-browser-and-phone
  • medium-browser-and-portrait-tablet
  • landscape-tablet
  • medium-wide-browser
  • wide-browser-and-larger
  • medium-browser-and-landscape-tablet
  • medium-wide-browser-and-larger
  • above-phone
  • portrait-tablet-and-above
  • above-portrait-tablet
  • landscape-tablet-and-above
  • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
  • portrait-tablet-and-below
  • landscape-tablet-and-below