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インタビュー:東京ガス、電力事業拡大で石炭火力に関与も=社長
2013年12月9日 / 08:17 / 4年前

インタビュー:東京ガス、電力事業拡大で石炭火力に関与も=社長

12月9日、東京ガスの岡本毅社長はロイターのインタビューに応じ、電力事業を拡大するために石炭火力発電への関与を検討していることを明らかにした。都内で2009年1月撮影(2013年 ロイター)

[東京 9日 ロイター] -東京ガス(9531.T)の岡本毅社長は9日、ロイターのインタビューに応じ、電力事業を拡大するために石炭火力発電への関与を検討していることを明らかにした。「電力ビジネスを広げていくには、ベース電源(基礎的電力)へのアクセスが当社の課題。具体的には石炭火力にどうアクセスするかだ」と述べた。

岡本社長は「あまり具体的には言えないが、いろいろな形で関わりを持ちたい。(石炭火力発電所への)出資という可能性もあれば、電力だけもらうこともあるかもしれない」と語った。

<電力制度改革が事業拡大の好機に>

先月13日には国会で改正電気事業法が成立。地域独占が続いた家庭向けなど小口の電力市場は2016年に自由化され、18─20年には大手電力会社の発電部門と送配電部門を別会社にする「発送電分離」が導入される。

東京ガスは2年前に策定した20年までの長期ビジョンで、天然ガス火力による国内発電規模を200万キロワット(事業パートナー権益分含む)から300万─500万キロワットに増やす計画を打ち出し、戦後60年以上続いた独占体制の転換へ布石を打ってきた。

<東電再建計画を注視>

インタビューで岡本社長は、発電能力増強の進ちょくについて、15年度に稼働を目指す日立LNG基地(茨城県)など複数の発電所立地の候補地を挙げる一方で、300万─500万キロワットと幅がある計画について、「東京電力とのビジネス・アライアンスの協議で数字が大きく変わるので、現時点では何とも言えない」と述べた。

福島第1原発事故を受けた経営再建に伴い、東電は東京湾岸に点在する約1000万キロワットの老朽火力発電所を、外部パートナーの出資を受けて更新を進める方針だ。特に、東電の袖ケ浦火力(千葉県、360万キロワット)と南横浜火力(横浜市、115万キロワット)は、両社が共同運営するLNG基地と直結しているため、東京ガスが両LNG火力の更新と運営を担うことが有力視されている。

岡本社長は、「12月に(東電の)新しい総合特別事業計画(再建計画)が作られる。また東電のあり方自体もいろいろ議論されている。どう固まるのかに合わせて、当社との話し合いも進んでいくのだろう」と語った。

発電事業の選択肢が広がる一方で、東京ガスが拡充を望むのは、燃料コストが安い石炭火力によるベース電源。「天然ガスのバリューチェーン」を掲げる同社にとっては、「ガス火力が(事業上の)ベースとなる」ものの、近年の業績向上に寄与している電力事業の成長戦略として「ベース電源へのアクセスがほしい」(岡本社長)のも事実だ。

経済産業省の審議会が今月、中長期のエネルギー政策で「原発依存度は可能な限り低減」と打ち出した中で、原子力に代わるベース電源の石炭火力の能力が今後、増える可能性があり、東ガスによる出資や受電などの検討の背景になっているとみられる。

<LNGの転売ビジネス狙う>

天然ガス・バリューチェーンを切り口に、同社は海外からのLNG調達もビジネス機会と捉える。岡本社長は、海外から長期契約で調達しているLNGを欧州や中米、東南アジアといった第三国に転売するビジネスに意欲を示した。期間20年など長期契約が主流の日本のLNG調達は通常、売り主の事前了解なしに第三者への転売を禁じる「仕向地条項」が付いている。ただプロジェクト数の増加に伴い、「(契約の)弾力性が増して、仕向地変更の例も出てきている」(同)という。

「仕向地変更のLNGを相当量持つことができれば、(出資先の)メキシコやベルギーの発電所に送ることが可能だし、東南アジアのLNG輸入国に販売することも考えられる」と、LNGビジネスのグローバル展開に踏み出す考えを示した。

<原発再稼働でもエネルギー間競争に自信>

同社は10日から家庭向けガス料金を東京など1都5県の供給エリアで平均2.09%値下げする。原発停止の長期化で電力会社が軒並み値上げに追い込まれている中で、ガス値下げが家庭市場におけるエネルギー間競争に有利に働くのかどうか。

岡本社長は、「(値下げが需要拡大につながる)価格弾力性からみて大きなインパクトを与えるものではないが、家庭用燃料電池エネファームや最新機器を導入するに当たってガスの価値を訴求する支援材料にはなる」と述べた。

原発再稼働が進んだ場合、原発を利用した安い深夜料金を利用した「オール電化」攻勢が復活するかどうかについて岡本氏は、「電力会社がセールス上、強力な武器とした極端な深夜料金は(安さの程度が)薄まっていくだろうと思う。我々の相対的な競争力は悪化しない。いかに付加価値が高いサービスを提供できるかのほうが重要だ」と語った。

(インタビュアー:浜田健太郎、月森修 編集:佐々木美和)

*内容を追加して再送します。

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