Reuters logo
3月日銀短観、人手不足感バブル末期来:識者はこうみる
2017年4月3日 / 01:59 / 7ヶ月前

3月日銀短観、人手不足感バブル末期来:識者はこうみる

 3月3日、日銀が発表した3月短観は、企業の景況感が大企業製造業・非製造業ともに2ポイント改善した。中堅、中小企業を含め全規模での改善となった。写真は都内の日銀本店前で昨年3月撮影(2017年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 3日 ロイター] - 日銀が3日発表した3月短観は、企業の景況感が大企業製造業・非製造業ともに2ポイント改善した。中堅、中小企業を含め全規模での改善となった。16年度は減収減益見込みながらも前回調査から増益修正となったことが影響した可能性がある。17年度のドル円想定レートは108.43円となり、足元よりやや円高に設定、全産業で増収減益見通しとなっている。雇用人員判断は全規模でマイナス26と大幅な不足超過、大企業、中小企業ともに1992年以来の不足超幅となった。

市場関係者のコメントは以下の通り。

<SMBC日興証券 チーフマーケットエコノミスト 丸山義正氏>

大企業の業況判断の現状DIは、製造業が2016年12月調査のプラス10から3月調査はプラス12へ、非製造業はプラス18からプラス20へ改善した。

一方、先行きに関しては慎重姿勢が色濃くにじんでおり、想定為替レートについても慎重姿勢が読み取れる。

2017年度の想定為替レートは108.43円と実勢より円高に設定されている。慎重な判断の一因は、トランプ政策の読みにくさにあるとみられる。

さらに2017年度の経常利益計画は製造業が前年度比マイナス0.3%、非製造業がマイナス0.1%、全産業ではマイナス0.2%といずれもほぼ横ばいとなった。

2016年度下期に改善した発射台を考えれば、明確な増益を見込むのが素直と考えられるが、ここでも慎重な姿勢が示されている。

こうした慎重姿勢が色濃い事業計画のなかで、2017年度の設備投資計画は、大企業全産業が前年度比プラス0.6%で、3月調査時点としては2007年度のプラス2.6%以来の高水準だ。

ただ、企業が設備投資に対して真に強気か否かは6月調査まで留保すべきかもしれない。2016年度計画が12月調査の前年度比プラス5.5%から、3月調査の実績見込みでプラス1.4%へ大幅に下方修正されたからだ。

実績見込みから実績へ、過去5年間の平均的なバイアスはマイナス3%ポイントで、これを今回に当てはめるとマイナス圏での着地が不可避となり、堅調な設備投資を想定していた日銀にとっては、想定外の展開となる蓋然性がでてきている。

<ブラウン・ブラザーズ・ハリマン 通貨ストラテジスト 村田雅志氏>

足元の状況については、全体的に堅調な結果といえる。今回の短観を踏まえて出口戦略に近づくのではないかとの思惑も一部では出るかもしれない。ただ実際には、インフレは引き続き弱い状況にあるため、まだ出口には距離があるだろう。

日銀の黒田東彦総裁は、イールドカーブコントロール(YCC)を維持すると発言している。日米金利差は縮小方向に向かいくにくく、ドル/円の下方圧力はさほど強まらないだろう。

業況判断DIでは、先行きについてそれほど改善していないのはトランプ政権の動向に対する慎重姿勢が強いためだろう。米大統領選後にドル/円は118円台に上昇した後、110円台まで下落するなど、市場は円安の持続力にも懐疑的だ。

景気は良いものの、米国中心に先行き不透明感が高いということではないか。リスクオンになりきれない状況であれば、いったん円買いというムードになりやすい。

<ブーケ・ド・フルーレット代表 馬渕治好氏>

今月末から本格化する3月期企業決算発表に期待がつながる内容と言えよう。大企業製造業・業況判断DIはプラス12となり、市場予想(ロイター予測:プラス14)をやや下回ったが、誤差の範囲といってよい。足元の景況感はしっかりしている。先行きDIは伸び悩んだが、一部のエコノミストの間では予測されていたので、サプライズではない。日本企業が先行き見通しを慎重に出してくることは例年のことだ。

2017年度大企業・製造業の想定為替レートは1ドル=108円43銭となった。足元よりやや円高に設定されており、輸出企業は少しネガテイブな前提を置いている。だが、為替が現在の水準で推移すれば、輸出企業の業況感は上方修正含みという見方もできる。

また、大企業・全産業の今年度の設備投資計画はプラス0.6%となり、小幅だがプラスとなったことは明るい。

3月日銀短観の結果は爆発的に株を買い上げる材料ではないが、総じて悪い内容ではない。

<大和証券・チーフエコノミスト 永井靖敏氏>

日銀短観はまずまずの内容だ。大企業製造業・業況判断DIは市場予想に届かなかったが、前回から2ポイント改善。大企業非製造業・業況判断DIはプラス20の高水準となった。先行きはともに慎重な数値だが、それでも比較的高めの水準を維持している。

ロイター短観を含めて、最近発表されたいくつかの指標で景況感改善が示されていたため、景況感に強気な見方をしていた市場関係者にとっては失望を招く内容かもしれないが、決して悪い内容ではない。2017年度の想定為替レートが1ドル=108.43円であるため、現在の為替水準を維持すれば、製造業中心に業況がさらに上向く可能性もある。

ただ、改善加速のイメージは持ちにくい。設備投資計画は17年度がプラスとなっているが、16年度見込みが大幅に下方修正されていることを含めて考えると、横ばい圏の動きだろう。外需頼みの構図は変わらない。

*内容を追加します。

0 : 0
  • narrow-browser-and-phone
  • medium-browser-and-portrait-tablet
  • landscape-tablet
  • medium-wide-browser
  • wide-browser-and-larger
  • medium-browser-and-landscape-tablet
  • medium-wide-browser-and-larger
  • above-phone
  • portrait-tablet-and-above
  • above-portrait-tablet
  • landscape-tablet-and-above
  • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
  • portrait-tablet-and-below
  • landscape-tablet-and-below