HOYAがペンタックスTOBに変更、買収価格引き上げに市場の圧力
[東京 6日 ロイター] HOYA(7741.T: 株価, ニュース, レポート)がペンタックス7750.Tとの統合手法を株式交換からTOB(株式公開買い付け)に変更する。背景にあるのは、統合比率を元に算出した理論株価に対して、割高で推移していたペンタックスの株価。市場の圧力によってHOYAがペンタックスの企業価値の見直しを迫られた格好だ。HOYAによるとペンタックスの浦野文男社長はTOBに賛同しているというが、ペンタックス取締役会が賛同の決議をするか現時点では不透明な部分が残る。TOBの帰すうとともに、新たなる買収者が登場する可能性も否定できず、このまま経営統合が進むのか流動的な側面もある。
<理論価格を上回って推移>
HOYAとペンタックスが統合に向けた基本合意を発表したのは昨年12月21日。ペンタックス株1に対してHOYA株0.158を割り当てる株式交換方式を決めた。4月5日のHOYAの終値4060円で算出すると、ペンタックスの理論株価は641円となる。 しかし、ペンタックスの5日終値は686円で、理論株価を7%上回る水準。統合発表以降、理論株価を上回る状態がしばしばあり、市場はペンタックスにとって統合比率が低すぎるとのサインを出していたことになる。
今回、HOYAが方針を決めたTOB価格は1株770円。市場が経営陣に圧力をかけて、結果的にペンタックスの企業価値の評価を20%引き上げたことになる。HOYAの関係者はロイターの取材に対し「もう少しプレミアを付けてほしいというペンタックスの株主の声もあり、現金で応えることにした」と述べた。野村証券・企業調査部の和田木哲哉シニアアナリストは、自身は統合比率を妥当と考えていたと前置きしたうえで「(効率経営で知られる)HOYA流のリストラをやればペンタックスの価値はもっと高まるのでは、と思う株主がいるのは理解できる」と指摘した。
<ヘッジファンドが先制>
実際、ペンタックスの株主となっている米系ヘッジファンドも、HOYAに対して先回りの動きを見せていた。株式交換比率がペンタックスの企業価値を反映していないとみて、6月末の株主総会で統合反対を提案した場合にどの程度の票を集められるか、国内外の機関投資家へのヒアリングを始めていた模様だ。
そのヘッジファンドから統合比率に反対する理由を説明された大手証券の幹部は、大阪製鉄(5449.OS: 株価, ニュース, レポート)との統合が東京鋼鉄(5448.Q: 株価, ニュース, レポート)の株主総会で否決された例をふまえ「安易な企業統合にも異論を唱えたり、実際に総会で積極的に株主提案をする例は今後も増えるだろう」との見方を示した。
<別の買収提案者登場の可能性も> 続く...


