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焦点:アスクルの第三者割当増資に波紋

2012年 05月 9日 21:39 JST
 
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<東京 9日 ロイター> アスクル(2678.T: 株価, ニュース, レポート)のヤフー(4689.T: 株価, ニュース, レポート)に対する第三者割当増資が波紋を広げている。株主総会を経ずに大幅な希薄化となることに批判の声が出ているためだ。アスクルは今後の成長のための投資とスピード感を伴った経営を行うための第三者割当増資と主張しているが、大型増資を正当化するためには、相応の業績拡大を示す必要がある。

アスクルは4月27日、ヤフーと資本業務提携をすると発表。アスクルが2302万8600株の普通株を1株1433円で発行し、ヤフーが買い受けるスキームで、発行価格は過去2カ月のアスクルの終値に1.4%のプレミアムを乗せた水準だ。ヤフーは、アスクルの42.6%を保有する筆頭株主になり、現筆頭株主のプラス(東京都港区)は第2位株主になる。払込期日は5月20日。

プラスは「(2社の提携は)アスクルが大きく発展するために避けて通れない。プラスにとってもメリットがある」(財務経理部)と述べており、新株発行の差し止め請求はしないという。

マーケットを驚かせたのは増資規模だ。増資によりアスクルの発行済み株式総数は73.8%増加する。大幅な希薄化率に対し、株価は増資を発表した4月27日の終値比で27.3%下落。9日終値は1160円と1月13日以来の安値水準になった。

市場関係者は、発行済み株式総数が大幅に増えることだけでなく、第三者割当増資でヤフーがいきなり42%を握る筆頭株主になることにも違和感を抱いている。9日の説明会に集まったアナリストや運用会社の担当者はおよそ80人いたが、質問の半分以上は、なぜ第三者割当増資なのか、なぜ割当先がヤフーなのかなど、資本調達のやり方に集まった。

アスクルの岩田彰一郎社長は、第三者割当を選んだ理由について「スピードをもってやろうと判断した」と説明。ネット通販大手の米アマゾン・ドット・コム(AMZN.O: 株価, 企業情報, レポート)を対比に挙げ、「BtoB」と「BtoC」の垣根が低くなる時代には「責めることが最大の防御になる」として、ネット大手ヤフーとの資本提携の必要性を訴えた。

アスクルは、借入金と合わせ総額569億円を調達する予定。同社の時価総額は約370億円だが、物流拠点の拡充の設備投資や情報システムの機能向上に投資する計画で、この大幅な業務拡充への戦略転換に、説明会では回答を求めるアナリストが続出した。

アスクルは5年後に連結売上高5000億円超、連結営業利益200億円を目指す計画としているが、説明会では、アマゾンなど競合他社を意識するのであれば、売上高1兆円規模でなければ正当化できない調達規模、との指摘もアナリストからは出た。   続く...

 
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