Reuters logo
焦点:予算越年より国債市場が困惑する安倍氏の「本気度」
2012年11月16日 / 07:02 / 5年前

焦点:予算越年より国債市場が困惑する安倍氏の「本気度」

11月16日、野田政権の衆院解散で、2013年度予算の裏付けとなる国債発行の議論も後ずれすることが確実になった。しかし、投資家である銀行勢の懸念は、日程の遅れより、次期政権が有力視される自民党の安倍晋三総裁がいかに「上げ潮」ぶりを発揮するかだ。今月15日撮影(2012年 ロイター/Yuriko Nakao)

[東京 16日 ロイター] 野田政権の衆院解散で2013年度予算は細川護熙政権の94年度以来、19年ぶりの越年編成になる。同時に、予算の裏付けとなる国債発行の議論も後ずれすることが確実になった。

しかし、投資家である銀行勢の懸念は、日程の遅れより、次期政権が有力視される自民党の安倍晋三総裁がいかに「上げ潮」ぶりを発揮するかだ。安倍氏が掲げるリフレ政策の本気度がはっきりしない居どころの悪さに、同氏の経済ブレーンが誰なのかを探る動きも出ている。

「リスクを落とせ。長いものはとにかく売れ」。野田首相が14日午後の党首討論で解散を表明したことを受け、長期金利の指標10年債利回りは0.750%と1週間ぶりの高水準を付けた。前日からは0.020%上昇した。

現時点での衆院解散は、予算の編成作業が越年することを意味する。これまでは年内編成にこぎ着けた例では11月21日の衆院選がもっとも遅かった。今回の衆院選は12月16日となるため、選挙後の新政権が、いつ組閣するのかも含めた日程を考慮すれば、複数の政府筋によると、政府案決定は1月、国会提出は2月以降にずれ込む。その影響は、例年11月から始まる国債市場特別参加者会合の開催日程にもおよぶ。

ただ、こうした異例ずくめの日程に警戒感が広がっているわけではない。「特例公債法案をめぐる与野党間のチキンレースが長引いた段階で、すでにプライマリーディーラーの間で『後ずれ、やむなし』のムードが広がっていた。予算編成の越年で国債発行計画の策定が遅れても、来年4月からのカレンダー発行には間に合う」と、あるメガバンクの幹部は言う。

むしろ安倍氏が標榜する金融・財政政策のコンビネーションの全容がはっきりしないことにリスクがあると、前出の幹部は続ける。安倍氏は、以前から2、3%のインフレ目標導入に前向きな姿勢を示し、都内で開かれた15日の講演では、いよいよ「無制限の金融緩和」に言及した。しかし、「相当量の金融緩和が念頭にあるのは確かだが、財政面とのポリシーミックスはどうなるのか、20年度の基礎的財政収支の黒字化に向けたベクトルがどう修正され、国債増発に反映されるのかは分かりにくい」と、同氏はいう。

判然としない状況の居どころの悪さに、水面下で「安倍氏の『経済ブレーン』は誰なのか、元経済閣僚の名が飛び交っている」(外銀首脳)との声もくすぶる。

国債市場は、短めの国債や派生取引が買われ、長めが売られる「リフレ相場の典型」(別の銀行関係者)の様相となってきた。しかし、その一方で、「不透明感の強まりでリスクを落としたり、損失回避に向けたヘッジに利用しているに過ぎず、安倍氏の『リフレ政策』を本気で織り込める状況ではない」(前出の外銀)と声は、なお多い。

(ロイターニュース 山口貴也 編集:伊賀大記)

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」
0 : 0
  • narrow-browser-and-phone
  • medium-browser-and-portrait-tablet
  • landscape-tablet
  • medium-wide-browser
  • wide-browser-and-larger
  • medium-browser-and-landscape-tablet
  • medium-wide-browser-and-larger
  • above-phone
  • portrait-tablet-and-above
  • above-portrait-tablet
  • landscape-tablet-and-above
  • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
  • portrait-tablet-and-below
  • landscape-tablet-and-below