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インタビュー:TPPは「最後のチャンス」=ローソン社長
2013年3月6日 / 08:02 / 5年後

インタビュー:TPPは「最後のチャンス」=ローソン社長

[東京 6日 ロイター] ローソン(2651.T)の新浪剛史社長は6日、ロイターとのインタビューで、環太平洋パートナーシップ(TPP)協定参加は日本が変わるための「最後のチャンス」と位置付けた。日本の市場が縮小する中で、日本が生きる道は「付加価値化」だと指摘。付加価値のある製品やサービスを作り出す中心を日本が担うことで、人材育成や教育など、幅広い分野での変革につなっがっていくという。

3月6日、ローソンの新浪社長はロイターとのインタビューで、環太平洋パートナーシップ(TPP)協定参加は日本が変わるための「最後のチャンス」と位置付けた。写真は2011年6月撮影(2013年 ロイター/Toru Hanai)

新浪社長は、政府の産業競争力会議のメンバー。

インタビューの概要は以下の通り。

――TPPに参加するべきと考える理由は。

「TPP参加は自然な流れ。付加価値のあるモノ作りやサービスしか日本の生きる方法論はない。コモディティに行くという選択肢はない。もう後戻りできないということを明確にすることと、徐々に進んでいる方向性を加速するということで、TPP参加は自然な流れ。それ以外の選択肢を取り、後戻りすると、強いところを強く伸ばすことができなくなる。そういう意味で、これは国家ビジョンだ」

「国際分業とは、強いものを輸出、弱いものを輸入すること。ここで変えなければならないのは日本人のマインドだ。付加価値が高くて良いものは安く売るのではなく、高く売るというマインドに変えなければならない。まねのできないものはマージンが高く、それを売ることで安定した利益につながり、働く人の所得につながる」

「安倍政権の3本の矢の3つ目の矢の1番目はTPPだ。3つ目の矢の期待に対して施策が決まることが重要だ」

――農業など反対勢力は強い。

「農業にICT(情報通信技術)を入れたり、機械を入れることによって、今よりも質が高く、生産性も高いものとなる。国内市場は間違いなく胃袋が小さくなる。量は要らないが良いものというニーズになる。ここは、我々日本が強い分野。そこを強化し、それを輸出もする。一方でコモディティなフルーツや野菜は輸入する。野菜やフルーツも付加価値化の方向へ進み、外の市場にアプローチしやすくなる」

──付加価値の高いものを作り出していくことは可能か。

「付加価値産業は、テクノロジーの高いものとなる。そのR&D(研究開発)の中心が日本となると、日本人だけでは難しく、多様性が重要になる。多様性というこの日本の弱みに対してどうチャレンジしていくかという点もインプリケーションして(含んで)いる」

「付加価値を作るのはイノベーション。イノベーションは、今の日本のような多様性のないマネージメントのあり方では上手くいかない。実は、TPPは、国家ビジョンであるとともに、示唆するところが大きい。今まで、やだなと思っていたり、やらなければならないと分かっていながらできていないことも国際分業の中でやらざるを得なくなる。日本は変わらなければならない。TPPはトリガー。自然な流れであるとともに、何かを始めるための引き金でもある。このままでは、この国は生きていけない。変わりたくない国に対しては、変わらざるを得ない環境を作らないとダメだ」

──TPPがもたらすものは。

「教育も考えなければならない。海外から人材が集まっても、英語が通じない社会ではしょうがない。意味しているのは国家ビジョンであり、ここからつながってくるものは非常に大事。産業競争力会議でも、人材育成というテーマで教育を議論している。何年でやると決めれば、この国は変わる。TPPをただ自由貿易を盛んにするものだと思ったら間違い。日本にとって、再生のための大きなきっかけづくりになる。変わることはきついが、これまでさぼっていたのできついのは当然だ」

──規制改革など、これまで何度も議論されたがなかなか進んでいない。今回は何が違うのか。

「省庁を横断する大きな問題が多く、総理の意思決定があればできる。変わらざるを得ないため、総理は真剣にやるだろう。他に方法論はない。日本は日本らしく、昔ながらのやり方で衰退していくことを選ぶのか、ダイナミックにチャレンジすることを選ぶのか――。高齢化すればするほど保守的になり、前者を選ぶ。そこを早く止める、最後のチャンスだ。これがだめなら、僕は日本から出て行ってしまおうかと思うぐらい最後のチャンスだ。ローソンが賃金を引き上げたのも、最後のチャンスだから、産業も協力しなければならないと思ったからだ」

(ロイターニュース 清水律子 リンダ・シーグ  編集 宮崎大)

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