[東京 11日 ロイター] 自動車大手の2014年3月期は大幅増益になる見通し。北米や東南アジアの販売好調や円安が業績を押し上げる。
大手3社の連結営業利益についてアナリストは1ドル=90─95円を前提として前年比4─6割増加すると予測しているが、為替が100円近辺で推移すればさらなる上振れは確実。トヨタ自動車(7203.T)は08年3月期に記録した過去最高益(2兆2703億円)の更新も視野に入ってくる。
トムソン・ロイター・エスティメーツによると、アナリストが過去90日間に出した14年3月期の営業利益予想は、前年実績予想に比べトヨタが約6割、日産自動車(7201.T)、ホンダ(7267.T)がそれぞれ約4割増加する見通し。
UBS証券の自動車担当アナリスト、松本邦裕氏は14年3月期の為替レートを1ドル=95円と設定した上で、トヨタの連結営業利益が2兆0500億円、日産が7200億円、ホンダが9000億円と予想する。仮に1ドル=100円が定着すれば、円安効果だけでトヨタの営業利益は2000億円、日産が1000億円、ホンダが850億円程度上振れるとみており、トヨタは「過去のピークに迫る数値に入ってくる」と話す。
円安は、輸出をしているすべてのメーカーにとってプラス要因だが、大手3社のなかではトヨタが最も恩恵を受けやすい。国内で生産した車両の半分以上を輸出しており、円安による採算改善効果が大きいためだ。リーマン・ショック以降、国内などで過剰設備が重荷になっていたものの、固定費の削減を強力に進めた結果、損益分岐点が低下。海外を含め、原則3年間は新工場の建設を見送る方針も公表済みで、コストが大幅に膨らむ予定はない。一方、ホンダは7月に埼玉県の寄居工場が立ち上がるため、スタートアップのコストがかかるほか、日産もメキシコなどの新工場稼働や新モデルの生産開始で継続的なコスト増が予想されている。
<円安で増えた経営の選択肢>
1年前の為替レートは1ドル=80─82円。自動車メーカーにとって円高が経営の最大のリスク要因だったが、日銀の大胆な金融緩和で円安の流れが加速しており、今年年初に各社幹部が理想的な為替水準として示した1ドル=100円が目前に迫っている。80円前後の円高局面ではコスト抑制など限られた手しか打てなかったが、円安で業績が改善し、手元資金に余裕ができれば経営の選択肢は増える。
今期以降は、先行投資に回したり、内部留保として手元に残したりと各社の中期的な成長・財務戦略に沿った資金配分が可能になる。ボーナスの増額や部品メーカーに対する値引き要請の緩和、株主還元としての増配も選択肢になりうるだけに、各社の資金活用策にも市場の関心が高まりつつある。BNPパリバ証券の自動車担当アナリスト、杉本浩一氏は「経営者の腕が試される局面になってきた」と指摘する。
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