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NECとパナソニックがスマホで海外再挑戦、厳しい船出に
2012年2月23日 / 03:17 / 6年前

NECとパナソニックがスマホで海外再挑戦、厳しい船出に

2月23日、NECとパナソニックが今春、スマートフォンで海外に再挑戦する。だが、海外勢に比べて出遅れ感は否めず、厳しい船出になりそうだ。写真は2009年都内で撮影(2012年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 23日 ロイター] NEC(6701.T)とパナソニック(6752.T)が今春、スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)で海外に再挑戦する。NECはタイ、パナソニックは欧州を皮切りに世界展開を加速したい考え。

だが、国際舞台ですでに圧倒的な存在感を放つ米アップル(AAPL.O)や韓国サムスン電子(005930.KS)などの海外勢に比べた出遅れ感は否めず、厳しい船出になりそうだ。

<NECはタイを足がかりに>

「第1弾としてタイが決まった」。NEC傘下で携帯電話事業を手がけるNECカシオモバイルコミュニケーションズの田村義晴社長は22日の会見でこう述べた。NECとしては2006年に中国から撤退して以来のアジア展開だ。同社は昨年からグローバルモデルの売り込みを開始。最初にタイで商談がまとまった。

NECカシオはNECとカシオ計算機(6952.T)、日立製作所(6501.T)の携帯電話事業が統合し、10年に設立。旧カシオ分の事業を引き継いだ形で、すでに北米の通信事業者ベライゾン向けに頑丈な腕時計「Gショック」の技術を使った防水・耐衝撃性の高いスマホ「G‘zOne(ジーズワン)」を供給しているが、ベライゾン以外への拡販を図るのがそもそもの狙い。

タイでの出荷見通しは「最初は数万台という数字で、需要を見ながら展開していく」(田村社長)。今後の海外展開に向けて2つ折りの2画面を持つスマホなど3機種の新製品も開発しており、田村社長は「ほかにもいくつかの客と話が進んでいる。カシオブランドのタフネスモデル(=ジーズワン)も加え、海外展開を加速したい」と語る。

もっとも主戦場の国内ですら海外勢に押され販売は厳しい。11年10―12月の販売目標は170万台だったが、実績は90万台。アップルの新型スマホ「iPhone(アイフォーン)4S」の発売時期と重なったほか「商品企画力が一歩及ばなかった」(NECの遠藤信博社長)のが原因。当初740万台だった12年3月期の出荷計画は、昨年10月に650万台、今年1月の決算発表では500万台へと2度も下方修正された。

今期営業赤字見込みの同社は、製造コストや資材費、人件費の削減などの構造改革により「来期(13年3月期)黒字化を目指す」(田村社長)。NECがグループ全体で9月末までに実施する1万人規模の人員削減のうち、NECカシオとNEC埼玉(埼玉県神川町)の2社では社員の4分の1に当たる500人を削減。製造コスト抑制のため、スマホの自社生産も取りやめ、海外企業との共同開発や生産委託に転換する方針だ。

<パナソニック、富士通は欧州から>

パナソニック(6752.T)も4月から欧州でスマホを販売し、13年3月期に150万台の販売を計画。その後、米国や中国での販売にも乗り出し、16年3月期には海外全体で900万台の販売を目指す。05年に同社は海外市場から撤退した経緯がある。価格競争で海外メーカーに敗れたほか、国内向け端末の高機能化が進んだことで開発費用がかさんだためだ。

富士通は中国で昨年6月から従来型の携帯電話を販売しているが、スマホやタブレット型端末の幅広い製品群を欧州で投入する準備も進めている。「発売日など詳細は未定」(広報)で現在、通信事業者と交渉中だ。今期は770万台を計画、14年3月期には海外の上乗せも見込み1000万台の目標を掲げる。

<国内勢に出遅れ感否めず>

みずほインベスターズ証券の倉橋延巨アナリストは、各社の海外強化について、「チャンスが全くないとは断言できないが、アップルやサムスンなどに追いつけるイメージが描けない。完全に出遅れており、正直言って難しい」と見る。投入するスマホはともに防水・防塵機能付で米グーグル(GOOG.O)の基本ソフト(OS)「アンドロイド」を搭載するなど仕様が似ており、「商品の差別化が難しい上、先行する世界の競合とはコスト削減にもつながる数量が違い過ぎる」と指摘する。

米調査会社IDCが2月1日に発表した11年の出荷実績によると、トップはフィンランドのノキアNOK1V.HEで4億1700万台。2位はサムスンの3億2900万台、3位はアップルの9300万台で、日本勢とはケタが違う。成長が見込みにくい日本を出て海外に活路を見出し、規模を取りに行かねばならない事情が日本勢にはある。しかし、現実は「先行メーカーに大きく水をあけられており、それを埋めるのは容易なことではない」(証券ジャパン調査情報部の大谷正之部長)。株式市場からは「世界でブランド認知度を上げるため、宣伝や販売促進で先行投資しないと世界の巨人には太刀打ちできない。それだけの体力がそもそも日本勢にあるかどうか」(大手証券アナリスト)との厳しい声も聞かれる。

(ロイターニュース 白木真紀;編集 宮崎大)

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