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ドルは80円前半、短期筋の利食いが上値抑える
2012年2月23日 / 04:18 / 6年前

ドルは80円前半、短期筋の利食いが上値抑える

[東京 23日 ロイター] 正午のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べ若干ドル安/円高の80円前半。前日の海外市場では7カ月ぶり高値をつけたが、短期筋の利食い売りが上値を抑えた。ユーロ/ドルは1.32ドル半ば付近で、手掛かり材料に欠ける中で方向感に乏しい展開となった。

2月23日、正午のドル/円は80円前半で推移。写真は昨年8月、米ドル紙幣 (2012年 ロイター/Bernadett Szabo)

<短期筋の利食い売り>

ドル/円は、前日の海外市場で80.40円と7カ月ぶり高値をつけた。海外勢のドル買い/円売りに加え、このところの原油価格の上昇や液化天然ガス(LNG)に対する需要から輸入企業のドル買い意欲が強いことも、相場をサポートした。

もっとも、東京市場ではやや上値が重い。海外市場でつけた高値を試しにいったものの、「80.35円で止まってしまったことから、短期筋の利食いの動きが入っている」(大手邦銀)という。輸出企業の売りも上値を抑えた。

市場参加者によると、80円半ば以降はオファー優勢。上値のめどとしては、週足でみた一目均衡表の雲の上限80.94円が意識される。「80.60円付近にはストップが観測されており、ユーロ円や豪ドル円でさらに円安トレンドが強まれば、ストップを巻き込みながら、雲の上限をトライする可能性もある」(外資系証券)。

ドル/円をめぐっては、1)米国の景気回復期待、2)日銀の追加緩和、3)日本の貿易赤字──などが引き続き意識されているが、過熱感を指摘するも目立つ。「トレンド系のテクニカル指標が上向きになっており、これがさらなる上昇期待を生んでいるが、足元の相場はやや行き過ぎの面もある。いったん調整が入ってもおかしくない」(外銀)という。

IMM通貨先物の取組(2月14日までの週)では、円の買い越しが前週の5万5171枚から2万9459枚に急減。足元では、ショートに転じているとの見方もあり、「ポジションの巻き戻しによる上昇も見込みづらくなっている」(外為アナリスト)という。

<ドル上値限定的か>

JPモルガン・チェース銀行債券為替調査部チーフFXストラテジスト、棚瀬順哉氏によると、「ドルと円のファンダメンタルズの差異(円の方が強い)にもかかわらず、足元のように持続的にドル高/円安になったケースは2008年12月に米連邦準備理事会(FRB)がゼロ金利政策を導入して以降はまれであり、2009年の2月と同年12月程度しか事例がない」という。

棚瀬氏は「足元の状況は、リスクオフにもかかわらず円が弱含んだ09年2月よりも、リスクオンにもかかわらずドルが強含んだ結果ドル/円が大きく上昇した09年12月により近いと考えられる」と指摘。「当時の上昇局面でドル/円は10.5%上昇したが、今回も同程度上昇すると、84円程度まで上昇することになる」と試算した。

もっとも、当時のドル上昇は、1)ドルショート・ポジションの巻き戻し、2)米金利が急落した後の急反発が主因──だが、現在とは異なるとも分析。「米10年債金利は今月入り21日までに26bp上昇したが、2009年12月の上昇幅(64bp上昇)に比べればかなり小幅であり、また、短期筋の現在のポジションは依然としてドルロングに傾いているとみられることも併せて考慮すると、今後米金利が一段と大きく上昇することがない限り、ドル/円のここからの上値は限定的となる可能性が高い」との見方を示した。

<ユーロ>

ユーロ/ドルは1.32ドル半ばで推移した。前日の海外市場では、欧州の決済機関LCHクリアネットが、アイルランド国債を取引する際に必要な証拠金の比率を25%から15%に引き下げたことや、ギリシャ議会が委員会レベルで債務交換実施に向けた法案を可決したことが好感されたものの、株価がさえなかったことが上値を抑えた。

東京市場もこの流れを続き、手掛かり材料に欠ける中で方向感に乏しい展開になっている。

市場では「ギリシャ問題はひとまず峠を越えたが、ファンダメンタルズでみると、米国の失業率は下がっているのに対し、欧州の失業率は上昇気味だ。今後金融緩和も可能性もある中で、ユーロの下値リスクは消えていない」(外銀)と引き続き慎重な見方が多い。

<衆院予算委員会>

野田佳彦首相は23日午前、衆議院予算委員会で行われた経済問題(円高・デフレ・第一次産業等)の集中審議で、日銀の追加緩和後の為替市場で1ドル80円台まで円安が進んでいることに関連して、「一定の水準について私が評価するのは妥当でないが、円高基調の流れがあった中で、先般の日銀の判断は市場も含めて評価を得ている」と語った。

一方、白川方明日銀総裁は、金融緩和が消費税増税の布石でないかとの見方に対して、「デフレ脱却と持続的な成長実現が政策目的。年明けから欧州債務危機が少しずつ前進するなど明るいムードを後押しするためだ」と説明。「日銀はデフレ脱却に全力をあげている」と強調した上で、「ゼロ金利の下で(資金供給)量を増やすだけで自動的に物価は上がらない」、「デフレ脱却には政府や民間が成長力を上げる努力も必要」などと指摘した。

(ロイターニュース 志田義寧)

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