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ドル80円前半、短期筋の利益確定売りが上値抑制
2012年2月23日 / 07:13 / 6年後

ドル80円前半、短期筋の利益確定売りが上値抑制

2月23日、午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点からほぼ変わらずの80円前半。昨年8月撮影(2012年 ロイター/Yuriko Nakao)

[東京 23日 ロイター] 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点からほぼ変わらずの80円前半。前日の海外市場では7カ月ぶり高値まで買われたが、手掛かり難のなか短期筋による利益確定売りが上値を抑制した。

ユーロ/ドルは1.32ドル半ば付近で方向感に乏しい展開。ギリシャ債務問題に対する悲観論後退で買い戻しの流れが継続したが、上値を追う動きも限られた。

<短期筋の利食い売り>

ドル/円は東京市場で上値の重い展開。前日海外市場で付けた高値80.40円を試しに行く場面もあったが、「80.35円で止まってしまったことから、短期筋の利食いの動き」(大手邦銀)が入ったほか、輸出企業の売りも上値を抑える要因となった。ドルは一時80.07円と80円割れを意識する場面もあったが、相場が下押した局面では買いが入った。

市場参加者によると、80円半ば以降はオファー優勢。上値のめどとしては、週足でみた一目均衡表の雲の上限80.94円が意識される。「80.60円付近にはストップが観測されており、ユーロ円や豪ドル円でさらに円安トレンドが強まれば、ストップを巻き込みながら、雲の上限をトライする可能性もある」(外資系証券)。

ドル/円をめぐっては、1)米国の景気回復期待、2)日銀の追加緩和、3)日本の貿易赤字──などが引き続き意識されているが、過熱感を指摘するも目立つ。「トレンド系のテクニカル指標が上向きになっており、これがさらなる上昇期待を生んでいるが、足元の相場はやや行き過ぎの面もある。いったん調整が入ってもおかしくない」(外銀)という。

IMM通貨先物の取組(2月14日までの週)では、円の買い越しが前週の5万5171枚から2万9459枚に急減。足元では、ショートに転じているとの見方もあり、「ポジションの巻き戻しによる上昇も見込みづらくなっている」(外為アナリスト)という。

<ドル上値限定的か>

JPモルガン・チェース銀行債券為替調査部チーフFXストラテジスト、棚瀬順哉氏によると、「ドルと円のファンダメンタルズの差異(円の方が強い)にもかかわらず、足元のように持続的にドル高/円安になったケースは2008年12月に米連邦準備理事会(FRB)がゼロ金利政策を導入して以降はまれであり、2009年の2月と同年12月程度しか事例がない」という。

棚瀬氏は「足元の状況は、リスクオフにもかかわらず円が弱含んだ09年2月よりも、リスクオンにもかかわらずドルが強含んだ結果ドル/円が大きく上昇した09年12月により近いと考えられる」と指摘。「当時の上昇局面でドル/円は10.5%上昇したが、今回も同程度上昇すると、84円程度まで上昇することになる」と試算した。

もっとも、当時のドル上昇は、1)ドルショート・ポジションの巻き戻し、2)米金利が急落した後の急反発が主因──だが、現在とは異なるとも分析。「米10年債金利は今月入り21日までに26bp上昇したが、2009年12月の上昇幅(64bp上昇)に比べればかなり小幅であり、また、短期筋の現在のポジションは依然としてドルロングに傾いているとみられることも併せて考慮すると、今後米金利が一段と大きく上昇することがない限り、ドル/円のここからの上値は限定的となる可能性が高い」との見方を示した。

<ユーロ>

ユーロ/ドルは1.32ドル半ばで推移した。ユーロ圏財務相会合でギリシャ向け第2次支援策について合意されたのを受けて買い戻しの流れが継続しているが、レンジ相場の域を出ず上値も限定的となった。

ギリシャ問題はひとまず小康状態となっているが「ファンダメンタルズでみると、米国の失業率は下がっているのに対し、欧州の失業率は上昇気味だ。今後金融緩和の可能性もある中で、ユーロの下値リスクは消えていない」(外銀)、「ギリシャ債務再編に合意しない金融機関に集団行動条項(CAC)が適用された場合、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の清算事由に該当する可能性がある」(国内金融機関)などの指摘が出ており、先行きに慎重な見方も目立っている。

<衆院予算委員会>

野田佳彦首相は23日午前、衆議院予算委員会で行われた経済問題(円高・デフレ・第一次産業等)の集中審議で、日銀の追加緩和後の為替市場で1ドル80円台まで円安が進んでいることに関連して、「一定の水準について私が評価するのは妥当でないが、円高基調の流れがあった中で、先般の日銀の判断は市場も含めて評価を得ている」と語った。

一方、白川方明日銀総裁は、金融緩和が消費税増税の布石でないかとの見方に対して、「デフレ脱却と持続的な成長実現が政策目的。年明けから欧州債務危機が少しずつ前進するなど明るいムードを後押しするためだ」と説明。「日銀はデフレ脱却に全力をあげている」と強調した上で、「ゼロ金利の下で(資金供給)量を増やすだけで自動的に物価は上がらない」、「デフレ脱却には政府や民間が成長力を上げる努力も必要」などと指摘した。

(ロイターニュース 星 裕康)

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