[東京 20日 ロイター] シャープ(6753.T)が追加リストラの検討を加速させている。9月めどに主力取引銀行に提示する見通し。鴻海精密工業(2317.TW)との出資条件の見直し交渉は8月中に完了させ、経営再建を軌道に乗せたい考え。
ただ追加策は、鴻海への海外テレビ組み立て工場売却によるコスト削減が柱。出資金額の減額を抑える交渉をしながら追加リストラの協力を要請するという苦しい立場で、シャープの鴻海への依存度がさらに増している。
<収益事業の売却は否定>
「収益事業からキャッシュフローを生み出す。キャッシュフローを生むために収益事業を売却することはない」――。複写機と空調事業の売却報道を強く否定するシャープ幹部は苛立ちを隠さない。亀山工場を分離する報道に対しても「検討していない」と強い口調で否定する。
液晶テレビ、大型液晶、太陽電池の主要3事業の赤字が継続しているのに対し、複写機と空調事業は黒字を確保する収益事業。「亀山モデル」のブランドで液晶テレビを生産してきた亀山工場も、米アップル(AAPL.O)製品向け中小型液晶の生産に切り替えており、大型液晶に代わる主力事業に位置付けている。いずれもキャッシュフローを生み出すために欠かせない事業で、目先の資金確保のためにこれらを手放すことは「会社に何も残らなくなってしまう」(シャープ関係者)との危機感が強い。
だが、3600億円のコマーシャル・ペーパー(CP)と2000億円の転換社債(CB)を抱える中、キャッシュのひっ迫は深刻。みずほコーポレート銀行と三菱東京UFJ銀行は、月内にも数百億円の有担保のつなぎ融資を実行する構えだが、本格支援に向けて、シャープへの追加リストラの圧力は日増しに高まっている。
<資産売却ではなく赤字を消す>
先のシャープ幹部によると、同社が検討する追加リストラは、鴻海への海外テレビ組み立て工場の売却。ポーランド、メキシコ、中国、マレーシアの4拠点が検討対象で、米国市場向けのメキシコと中国の南京工場を軸に詰めている。8月中に大型液晶の分野で鴻海と協力体制を築いたのに続き、後工程のテレビ組み立て工場も鴻海に売却して連携することで、工場運営の固定費を削減することをねらう。
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