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コラム:問われる「ロムニー大統領」の本気度
2012年8月31日 / 07:07 / 5年前

コラム:問われる「ロムニー大統領」の本気度

8月29日、ロムニー前マサチューセッツ州知事は、大統領に選ばれるほどのハングリーさを備えているだろうか。父ブッシュ元大統領やアル・ゴア氏のような平然とした傲慢さが垣間見える(2012年 ロイター/ERIC THAYER)

[29日 ロイター] ミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事は、大統領に選ばれるほどのハングリーさを備えているだろうか。経済が低迷し、米国は傷ついている。フランクリン・ルーズベルトとロナルド・レーガンを除き、失業率が7%を超える状況で再選を果たした大統領はいない。現在の失業率は8.3%と高く、当面この数字が低下する見通しもない。

ロムニー氏の振る舞いにはすでに自己満足感が見られ、それが共和党陣営をいらだたせている。彼はハンサムで、流ちょうな演説を行い、人当りも良い。雄弁で活発でもあり、髪はきれいに整えられ、ジーンズにさえ完璧にアイロンがかけられている。しかし、情熱は一体どこにあるのだろうか。

ロムニー氏の演説からは、米国は大きな岐路に直面しているとの主張が聞こえてくる。その選択を間違えば、スウェーデンのような社会民主主義を迎えることになるという。一方で、国家に危機が迫るなか、ロムニー氏が持ち出すのは「一般論」だけだ。フロリダ州タンパでの共和党全国大会に集まった党員らはこう聞く権利がある──「ロムニー氏は、本当に大統領選に勝利したいのか」

米大統領選では、これまでにも非常に落ち着いた候補者は存在してきた。ジョージ・H・W・ブッシュ元大統領は再選を目指した際、まるで大統領を1期務めれば十分というような態度で選挙戦に臨んだ。人生で成し遂げたいことのリストにあった「ホワイトハウスに住む」という項目はすでに達成しており、そこに住み続けるために選挙を戦うことは面倒にさえ見えた。彼にはメーン州ケネバンクポートに素晴らしい自宅もあった。再選する資格があるとは感じていたが、面倒なことを引き受ける準備はできておらず、再選を果たせなかったことに驚きはなかった。

似たような平然とした傲慢さは、2000年の大統領選に出馬して落選した民主党のアル・ゴア氏にもみられた。激戦地となったフロリダ州での票の再集計について、同州の共和党員が消極的であった時、ゴア氏はもっと怒りを示すべきだった。世界最大の民主主義国家で正義が成し遂げられるよう、公の場でいら立ちをみせるべきだった。しかし声を荒げて抗議するのではなく、彼は弁護士を雇い、結果を裁判に委ねた。ゴア氏は大統領にふさわしい人物ではなかった。なぜなら、大統領の座を欲するほどハングリーではなかったからだ。

ロムニー氏も、ブッシュ元大統領やゴア氏のように見える。ロムニー氏は、豊かな未来に国民を導きたいと心から思っていると言うが、汗を流してまでそうしようとは思っていないように映る。

ロムニー氏の問題の一部は、今の時代と関連しているかもしれない。文明批評家のマーシャル・マクルーハン氏はかつてテレビについて、そこで見ていることを知った気になる「クール」なメディアだと評した。テレビはジョン・F・ケネディ元大統領やバラク・オバマ現大統領のような、有権者が自らの夢を映し出せるようなクールな人物を好む。ミット・ロムニー氏は疑いようもなくクールだが、もしかしたらクール過ぎるのかもしれない。

ロムニー氏には、共和党支持者を興奮させることはできないように見える。だからこそポール・ライアン氏が副大統領候補に選ばれた。ライアン氏は、ロムニー氏に幻滅した保守派の草の根運動「ティーパーティー(茶会)」が求める言葉を発することができるだろう。しかし、選出されるのはライアン大統領ではない。

米大統領の座に就くには、有権者の共感を得なくてはならない。タンパでの共和党大会は、同氏がよそよそしさを捨て、なぜそれほどまでに大統領になりたいと思うのかを伝える機会にしなくてはならない。

*本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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