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コラム:FRB、「市場に叩かれるリスク」を倍増
2012年1月26日 / 04:07 / 6年前

コラム:FRB、「市場に叩かれるリスク」を倍増

[ニューヨーク 25日 ロイター BREAKINGVIEWS] 米連邦準備理事会(FRB)は不愉快なサプライズに直面するように、自ら道筋を付けてしまったのかもしれない。25日の発表で、実質ゼロ金利を継続する期間を従来の約1年半から3年に延ばした。雇用創出やバーナンキ議長の退任、インフレ率の上昇といった事態により、FRBはそれ以前に手痛い方向転換を迫られたり、転向を避けようとして動きが遅れる恐れがある。

1月25日、米連邦準備理事会(FRB)は市場に叩きのめされるリスクを倍増させてしまったようだ。写真は会見席上でのバーナンキFRB議長(2012年 ロイター/Larry Downing)

バーナンキ議長は記者会見で、フェデラルファンド(FF)金利がゼロの現在、FRBが金融政策に影響を及ぼす手段は2つ、すなわち証券購入と金利見通しを示すことだと説明した。予想される利上げ開始時期を2013年半ばから14年末に延ばしたことで、FRBは長期金利を押し下げる可能性がある。

バーナンキ議長はまた、FRBの長期的な目標と政策戦略の枠組みを示し、個人消費支出(PCE)価格指数の前年比伸び率を2%とするソフトなインフレ目標を設定した。議長は「ハードな」インフレ目標の場合、完全雇用とインフレ抑制というFRBの二重の使命とは相入れないと述べた。

昨年12月の米失業率は8.5%で、8月時点から0.6%ポイント下がっている。このペースで改善が続けば、13年半ばまでにはFRBが「正常な」範囲と推計する5.2─6%に達するだろう。これは新たに示されたゼロ金利終了時点よりずっと前だ。

一方、昨年11月のPCE価格指数は前年同月比2.5%上昇した。これは既にソフトなインフレ目標を上回っているため、インフレ率は3年以内に利上げを正当化するのに十分な水準となりそうだ。最後に、バーナンキ議長自身の任期が14年1月に切れる。今年の大統領選結果次第で議長再選の有無が決まる可能性があり、別の議長が誕生するようならまったく違った金融政策運営になるかもしれない。

14年という時期は確約ではないとはいえ、それより早く方向転換すればFRBの信頼性が傷付くだろう。その上、FRBは発表した金利パスから逸脱したくないという誘惑に駆られる可能性がある。その場合、失業率やインフレ率に照らして必要な利上げが大幅に遅れかねない。つまりFRBは市場に叩きのめされるリスクを約2倍に増やしてしまったということだ。

<背景となるニュース>

*米連邦公開市場委員会(FOMC)は25日、FF金利の誘導目標を0─0.25%に据え置くとともに、経済環境に照らすと超低金利を2014年末まで維持することが正当だろう、との見解を示した。以前の声明で言及された13年半ばよりも期間が延びた。

*リッチモンド地区連銀のラッカー総裁は反対票を投じ、超低金利を維持する期間に言及しない方が良いと主張した。

*FRBはまた、昨年9月に始めたツイストオペの継続も決めた。

*FRBは別の声明で、長期的な目標と政策戦略の大枠を示した。この中にはPCE価格指数の前年比上昇率で見て2%というインフレ目標が含まれる。

*筆者は「ロイターBreakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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