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焦点:米大統領選討論会、勝負どころは台本外の論戦
2012年9月28日 / 04:57 / 5年前

焦点:米大統領選討論会、勝負どころは台本外の論戦

9月27日、オバマ米大統領と大統領選の共和党対立候補ロムニー氏が来月3日、初のテレビ討論会に臨む。写真は今月22日、ウィスコンシン州ミルウォーキーで演説するオバマ大統領(2012年 ロイター/Kevin Lamarque)

[ワシントン 27日 ロイター] オバマ米大統領と大統領選の共和党対立候補ロムニー氏が10月3日、初のテレビ討論会に臨む。歴史に習えば、ロムニー氏が現職のオバマ氏を激しく攻撃する構図となりそうだ。また両者とも、論点が自らの土俵から外れた際に失態を演じ、選挙戦に打撃を与える恐れがある。

90分の討論会はデンバーで行われる。10月に予定される3回のテレビ討論会の第一弾で、大統領選最終章の流れを決するだろう。

両者とも出たとこ勝負の討論を得意としてきた様子はうかがえないし、共に選挙戦の中で失言を行っている。

オバマ大統領の演説は昂揚感あふれる表現と、一般論を感動的に語ることで知られるが、2008年の民主党予備選の討論では自信を欠く曖昧な話法のために頼り甲斐のない平凡な人物に映ることがあった。鋭い受け答えをした際には、生意気に見られることも多かった。

ロムニー氏はことしの共和党予備選で相次ぐ厳しい攻撃を切り抜け、決然とした話し方で対立候補を打ち負かした。しかしロムニー氏は同時に、攻撃された際の対応が頑なでぎこちなく見えることもある。不満を募らせると失言もする。予備選討論では、対立候補のリック・ペリー・テキサス州知事との争点をめぐり「1万ドル賭けようか」と口にし、ロムニー氏は庶民感覚とかけ離れた金持ちだ、との批判を想起させることになった。

ノースイースタン大学のアラン・シュローダー氏は「討論者としての両者の腕前は五分五分だ。2人とも感情より知性が勝り、はきはきしていてカメラ映りが良い。しかし2人とも台本に沿った設定での討論を好む」と話す。

勝敗を掛けた今回のテレビ討論は、ロムニー氏が劣勢を挽回する最後のチャンスになるかもしれない。

大半の世論調査では、オバマ大統領がロムニー氏をリードしており、11月6日の選挙では浮動票の多い州「スイング・ステート」が勝敗を決することになりそうだ。

ミズーリ大学の政治コミュニケーション専門家、ミッチェル・マッキニー氏は、テレビ討論が大統領選の最終結果をがらりと変えることはまれだが、素晴らしい討論を行った候補者は支持率を数パーセント伸ばせると指摘。「大統領選討論が戦況を一変させることは通常見られない。しかし選挙戦は大詰めを迎えており、今回はロムニー氏のチャンスだ。討論会をうまく利用できるかどうかだ」と話した。

2000年の大統領選でマケイン候補の側近を務めたダン・シュナー氏は「私がロムニー氏であれば、オバマ氏を苛立たせて怒った表情を引き出そうとするだろう。オバマ氏だったら、少し予想外の言動に出てロムニー氏の台本を狂わせたいと考えるだろう」と述べた。

<オバマ大統領の課題>

近年の大統領選討論を振り返ると、最初の討論がオバマ氏にとって最も厳しいものとなりそうだ。

現職大統領が再選に挑んだ過去4回の大統領選では、レーガン元大統領(1984年)、ジョージ・H・W・ブッシュ元大統領(1992年)、その息子のジョージ・W・ブッシュ前大統領(2004年)の3人が最初の討論会で苦戦した。もっとも、レーガン大統領とブッシュ大統領(息子)は再選を果たしている。

例外は生粋の討論上手だったクリントン元大統領で、再選に臨んだ1996年の大統領選では切れ味鋭い討論で共和党のボブ・ドール候補を打ち破った。

マッキニー氏は「現職大統領は自分のやり方を通し、付き従われることに慣れている。挑戦を受けることには慣れていない」ため、「うろたえる可能性がある。現職大統領の仕事は自らの実績を防衛しながらも、防御に回らないことだ」と説明した。

これはオバマ大統領にとって難しい課題かもしれない。大統領は米国民が直面する高失業率と厳しい経済状況を認めることと、期待に満ちた将来像を描くことのバランスをうまく取る必要がある。

大統領はことし、企業経営者に対する政府の支援について演説した際、「あなたがた(経営者)が築き上げたのではない」と言ってしまい、言葉が行き過ぎることの危険を思い知らされることになった。ロムニー氏の共和党側はこの発言を企業経営者に対する侮辱だと非難し「築き上げたのはわれわれだ」というフレーズを大統領選だけでなく共和党大会の標語に採用した。

<ロムニー氏の失言問題>

ロムニー氏の失言は「1万ドル賭けようか」発言にとどまらない。大統領選の中で、全米自動車競走協会(NASCAR)オーナーとの友人関係や、妻アンさんの所有する高級車キャデラックのことを口にして、図らずも金持ちぶりや特権を有権者に想起させてしまった。

また、税金を払っていない「47%の」米国民は政府の施しに頼る「犠牲者」であり、自分には投票しないだろう、という会話がこっそり録音されたことは、大統領選の転機となった。

マッキニー氏は「ロムニー氏の方が失言やへまを犯しやすいのは明らかだ」と言う。

とはいえロムニー氏はことしの共和党予備選で20回以上の討論会をこなし、2008年に大統領選に立候補した際にも15以上の討論に参加しているため、これまで大統領選に登場した候補者の中で最も経験豊かな討論者になるとマッキニー氏は指摘した。

(John Whitesides記者)

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