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焦点:東京オリンピックに3回目の障害、築地市場移転延期で
2016年9月30日 / 01:02 / 1年前

焦点:東京オリンピックに3回目の障害、築地市場移転延期で

 9月30日、2020年東京五輪・パラリンピックが、新たな障害にぶつかっている。選手村と国立競技場をつなぐ道路の建設予定地にある世界一の魚市場の移転計画を、新都知事が延期したのだ。写真は都内で21日撮影(2016年 ロイター/ Toru Hanai )

[東京 30日 ロイター] - 2020年東京五輪・パラリンピックが、新たな障害にぶつかっている。選手村と国立競技場をつなぐ道路の建設予定地にある世界一の魚市場の移転計画を、新都知事が延期したのだ。小池百合子東京都知事は8月、土壌汚染に関する懸念が払しょくされていないとして、築地市場の豊洲への移転を延期した。

都庁の担当者は、築地市場の移転が半年延期されると、もともとタイトなスケジュールで計画されている道路の期限内完成はほぼ不可能だとしている。そうなれば、五輪開催中、選手も観客も交通渋滞に巻き込まれる可能性がある。

東京都は29日、豊洲の地下水調査で、環境基準を上回るベンゼン、ヒ素が初めて検出されたと発表した。

ある築地市場の卸売業者は「築地市場は古いので、みんな新しいところで働きたいだろうが、ベンゼンのようなものがあると、食べ物を扱うには良くない。客は魚を買いたいとは思わないだろう」と述べた。

東京オリンピックの開催準備がつまづいたのは、これで少なくとも3度目――。国立競技場の建設計画が、高過ぎるコストから白紙に戻され、エンブレムは盗用疑惑で再公募する事態に陥った。2013年に東京開催が決まって以来、政治とカネにまつわるスキャンダルで、2人の都知事が辞任している。

「(オリンピックは)日本の技と技術を世界に示すいいチャンスだったのに、こんな問題が出てくるのは情けない」と、オリンピック招致活動に関わったことのある社会工学研究所の酒井均氏は言う。

東京都は15年前、築地市場を2キロ離れた豊洲に移転することを決めた。もともとガスプラントがあった跡地だ。築地市場に関する著書のあるハーバード大学のテオドア・ベスター教授は「移転の理由は築地市場の老朽化だった。非常に混みあった乱雑な空間が、地価の高い土地を占領している」と述べる。

だが、新たな移転先では様々な問題が見つかった。2008年の土壌試験で、基準値の4万3000倍に達するベンゼンが検出。ヒ素と水銀も検知された。

さらに小池都知事が就任してから、汚染された土壌を取り除いた上に盛るはずの土が入れられていないことが発覚した。

都庁関係者によると、今後の進展は、専門家会議の検討結果と、空気と水質検査の結果次第だという。オリンピック組織委員会は、都知事に対し、移転延期が開催準備に影響を与えるなら、早めに知らせるよう求めている。

一方、豊洲移転を予定していた卸売業者は途方にくれている。築地で30年間商売をしている東京中央市場労組の中沢誠委員長は、ロイターの取材に「東京都はできるだけ早く調査を行ってほしい。全てが無責任だ」と語った。

エレイン・リーズ 翻訳編集:宮崎亜巳

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