焦点:米低金利で膨らむドルキャリー取引とドル安の連鎖
森 佳子記者
[東京 15日 ロイター] 米国がゼロ金利政策・量的緩和の早期解除に二の足を踏むなか、投機筋は安価で潤沢なドルを借り入れ、ドルを売って利回りの高い資産に投資するドルキャリー取引を膨らませている。市場ではドルキャリーの進捗に歩調を合わせ、ドル安が進行している。
オバマ米大統領は米証券大手リーマン・ブラザーズの経営破綻から一年の節目となる14日、ウォール街で演説し、危機が収束するに連れて、金融業界では既に投機的な動きが目立ち始めているとの認識を示し、「向こう見ずな行動が許された日々に戻ることはない」と規制強化に向けた決意を示した。しかし、ドルを巡る投機筋の「向こう見ずな行動」は、米国のゼロ金利政策が育んでいる側面も否めない。
<リパトリからドルキャリーへ>
米国際収支統計によれば、米金融機関は2009年第1・四半期に、ネットで909億ドルを国外向けに貸し付けた(資本流出=対外債権増)。18日発表予定の第2・四半期の国際収支でも、対外債権が一段と増加することが予想され、米金融機関を介したドルキャリー取引の活発化が推し量られる。
ドルキャリーの肥大に合わせてドルは軟調となり、対ユーロでは2008年12月以来の安値1.46ドル後半へ、対円では7カ月ぶりの安値90円割れ寸前まで下落した。
短期金融市場では、米政策金利であるフェデラル・ファンド・レートは過去1カ月間に平均0.15%付近の低水準に張り付き、3カ月物のドルLIBOR(ロンドン銀行間取引金利)は0.2950%と過去最低水準を更新した。
地域別に見ると、第1・四半期の金融機関の対外債権増加分のうち、約760億ドルが英国向けとなっている。英国は大手金融機関やファンド勢が軒を連ねることから、いったん英国に貸し出された資金が、新興国や商品市場に再投資されていることも考えられる。 続く...





















