藤井財務相発言で仕掛ける投機筋、ドル/円一段安には力不足か
基太村 真司記者
[東京 17日 ロイター] 外為市場では藤井裕久財務相の発言を手掛かりに投機筋の動きが活発となってきた。1ドル=90円の攻防が続く中で為替介入に否定的な姿勢を明確に示したとして、一段と円買いを進めようとしている。
ただ、ドル全面安が続く中でリアルマネーなど投資家の動きは依然として鈍く、投機筋の短期売買だけでは大幅なドル安/円高は見込みづらいとの声が多い。
日本の政治はグローバルに見て関心が薄く、政権交代でも売買の手がかりにならない──。為替相場は、こうした大方の読みとは違う展開になっている。7カ月ぶりの90円割れをめぐる展開が続く中、藤井氏は16日午後、為替介入について「緩やかな動きならば介入することには反対」、「円が少し高くなるということで、ほかの国が協調介入するとは考えられない」などと発言。「少なくとも投機資金が入って乱高下になったときには何か考えなければいけないが、今の状況はそうとは思えない」と語り、介入に消極的と市場では受け止められた。
この発言を契機に、投機筋は再び90円割れを試す動きに出た。発言が伝わった直後から円は急伸、ドルは1円弱の下げで一時90.12円と今年2月以来の90円割れに接近し、ユーロも1円弱の下げとなった。ドルは今週に入ってから何度となく90円割れを試しては、下値の買いに阻まれる展開が続いていただけに、発言は下値攻めの好機と受け止められ「どうしても90円を割り込ませたい投機筋が必死に売り込んでいた」(外銀)という。
ただ、円相場を主戦場とする東京市場関係者の間では、財務相発言に驚きはないとの声も多い。「これまでの政権でも(過去5年半近く)介入は現実として行われておらず、これまでの当局のスタンスと比べても違和感はない」(都銀のチーフディーラー)、「介入しないとは言ってないし、急激な変動があれば対応するとのスタンスは自民党政権時代の当局の姿勢と変わりがない」(BOAメリルリンチ日本証券・FXストラテジストの藤井知子氏)という。
ステート・ストリート銀行・金融市場部長、富田公彦氏も「細川政権で蔵相を務めた時期は在任234営業日中46営業日で介入を実施している。105円付近で連日介入した時期もあり、藤井財務相が介入に否定的ということはない」と見る。
しかし、口実を見つけては短期的な売買を仕掛けてさや取りを狙う投機筋や、円相場にそれほど明るくない海外勢はやや視点が異なる。ドル全面安の局面で就任前から繰り返された介入否定発言は、これまで多くの関係者が介入ラインと見る1月につけた87円付近から「85円付近と小幅だが円高水準へ下がった印象」(別の都銀チーフ)。「実際の為替政策に大きな変化がなく、必要があればやるという判断が残っていたとしても、スペック(投機筋)に『介入しないなら円を買い仕掛けてやろう』という発想を与えてもおかしくはない」(先出の都銀チーフ)という。 続く...





















