次世代自動車特集:エコカー普及、電力産業の構造変化要因に

2009年 10月 27日 15:12 JST
 

 [東京 27日 ロイター] 太陽光発電など再生可能エネルギーの飛躍的拡大と電気自動車の普及によって、電力産業やインフラのあり方が大きく変化する可能性が浮上している。

 今後多くの市民の間で、太陽電池で発電した電気を電気自動車やハイブリッド自動車に積まれた蓄電池に貯めて、状況に応じて電力会社に売るといったライフスタイルが広がることも予想され、「供給者と利用者」という形で固定化されてきた電力会社と市民の関係は、より双方向的な姿に変わるとみられる。環境テクノロジーとIT(情報技術)ネットワークによって電力インフラが強化されることで、様々なニュービジネスが生まれることも期待できそうだ。

 <EV先進都市を目指す横浜>

 横浜市は、日産自動車(7201.T: 株価, ニュース, レポート)と電気自動車に対応した都市作りを目指す「ヨコハマ・モビリティー・プロジェクト・ゼロ」を共同で進めている。横浜市は、普及のカギを握る給電スタンドを2009年度で100基設置するなどインフラ整備を進め、電気自動車への注力を鮮明にしている地元企業を側面支援する。同市の担当者は「EV(電気自動車)が赤レンガ倉庫の横をさっそうと走るコマーシャルフィルムを世界に流したい」と期待する。

 同市は、再生可能エネルギーの利用推進に関連した様々な実験や、規制緩和を実施する構想も進めている。学校など公共施設や家庭に太陽光パネルを設置し、電気をお互いに融通し合うことを検討中だ。既存の配電系統とも連係し、太陽光で発電した電気を電気自動車に積んだ蓄電池に貯め、必要に応じて系統に電気を流す「ビークル・トゥー・グリッド(車から配電網へ)」も視野に入れている。電気事業法など関連規制に抵触する可能性があると同市ではみているが、東京電力(9501.T: 株価, ニュース, レポート)にも今後協力を申し入れる意向だという。

 <再生可能エネルギーの拡大、系統安定化が課題に>

 太陽光や風力など再生可能エネルギーを拡大するには、既存の電力インフラとどう共存するかが課題となる。天候によって出力が変動する太陽光や風力による電気が系統に大量に流れ込むと、送配電網の需給バランスが乱れ、電圧や周波数といった電気の品質を左右する要素に悪影響を与える恐れがあるためだ。 

 経済産業省が7月に公表した報告書は「太陽光発電が2020年頃に20倍(約2800万キロワット)規模に増えた場合、系統安定化対策に大きな課題を投げかける」と指摘した。温室効果ガスを2020年までに1990年比で25%削減する方針の新政権は、再生可能エネルギーの大量導入を目指す方針だが、その場合、既存の電力インフラに支障を来たさないよう対策を準備しておく必要があるとされる。  続く...

 
 
Photo

ロイターオンライン調査

写真

デフレ環境下で急速な円高が進み、「ドバイショック」も加わった。「日本株は売り材料ばかりで、八方ふさがりだ」との声も。  ブログ