原料安効果で好調目立つ食品株、課題は低価格化への対応

2009年 11月 10日 14:53 JST
 

 [東京 10日 ロイター] 食品株の業績好調が目立っている。これまで収益圧迫要因となっていた原材料価格が低下し、その効果が数字の上でも現われた格好だ。

 値上げの浸透も寄与した企業が多いが、消費者の節約志向による低価格化が進み、NB(ナショナルブランド)がPB(プライベートブランド)に押されるケースもあるなど、収益環境は楽観視できない。原材料価格が反転するリスクも生じている中で、低価格化への対応が課題になりそうだ。

 決算発表シーズンが始まる直前から、食品会社に業績見通しを上方修正する企業が多かったが、発表時にも業界の代表銘柄であるキリンホールディングス(2503.T: 株価, ニュース, レポート)が09年12月期見通しを、味の素(2802.T: 株価, ニュース, レポート)が10年3月期見通しをそれぞれ従来予想を上積みしたなど、好実態が明らかになるケースが目を引いた。

 上方修正をした理由として「原料価格の高騰が沈静化したほか、価格改定が期を通じて寄与する」(味の素の大野弘道執行役員)といった点が挙げられている。昨年までは、小麦や砂糖、乳製品をはじめ原材料価格の上昇が利益面を圧迫。その対策として、値上げに踏み切りながらも浸透し切らない企業が多かったが、その効果が出始めるとともに、原料価格そのものも低下するメリットも生じた。多くの原材料は輸入しているため、円高もコスト面でプラスに作用する。

 10月に輸入小麦の政府売渡価格が5銘柄平均で23%引き下げられるために、日清製粉グループ本社(2002.T: 株価, ニュース, レポート)では値下げで還元策を実施するが「その分は通期の業績見通しに織り込んでいる」(深田晶也取締役)という。

 同社は、消費者の節約志向の高まりによる内食化から家庭用食品が好調なほか、昨年9月の製粉東灘工場の本格稼動といったコスト削減策の効果が寄与し、2010年3月期の連結決算見通しについて、営業利益を従来予想の203億円から234億円に上方修正。家庭の内食化が進んでいることが追い風となった企業もあった。

 さらに、海外事業の好調が寄与した例も少なくない。日清食品ホールディングス(2897.T: 株価, ニュース, レポート)では、これまで赤字だった北米事業が黒字化したことが利益面に貢献した。その理由として値上げや原料安のほか、米国において景気不況から即席めん需要が増加した点を挙げている。

 海外事業の伸長も上方修正の要因となる味の素は海外でのさらなる展開について「中東のドバイに駐在員事務所を持っている。ドバイは東アフリカの中継地でもあり、中東、東アフリカでの展開を狙いたい」(長町隆常務)としていた。  続く...

 
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