大手ゼネコン、景気悪化と公共事業削減で厳しさ増す
水野 文也記者
[東京 12日 ロイター] 大手ゼネコン4社(大成建設(1801.T: 株価, ニュース, レポート)、大林組(1802.T: 株価, ニュース, レポート)、清水建設(1803.T: 株価, ニュース, レポート)、鹿島(1812.T: 株価, ニュース, レポート))の収益環境は厳しさが増していきそうだ。景気悪化を背景に民間工事の低迷が続きそうなほか、一時は収益を下支えすると期待されていた公共工事も、政権交代によって削減が加速する懸念が生じている。
公共工事は減少が止まらない可能性があり、事業の再構築も課題として挙げられていた。
各社建設工事の10年3月期単体受注見通しは、大成建設が従来予想1兆1500億円から1兆0300億円に、大林組が1兆3000億円から1兆1750億円に、清水建設が1兆2500億円から1兆1500億円にそれぞれ引き下げた。下方修正した理由は「民間工事が伸びない上に、ある程度期待していた公共工事も政権交代によって状況が変わったため」(大成建設の阿久根操専務)という。
受注見通しを据え置いた鹿島にしても、「当社が優位に立つとみられる案件が下半期に集中するので据え置いた。ただ、得意先が発注を先延ばしするといった話も聞くため、受注時期について後ずれする案件が生じる可能性もある」(染谷香専務)と慎重な見方を示す。
民間工事の減少は、景気悪化で企業の設備投資が落ち込んだことが大きい。とりわけ目立つのが製造業向けの減少だ。これについて清水建設の黒澤成吉専務は「電機業界を中心に民間工場の建設工事が大幅に落ち込んだ」と指摘する。同社では上半期の受注高のうち工場関連が前年同期比で80%ダウン。業種別では電気機械向けが同92.6%減、輸送機器が同75.8%減と、輸出関連企業を中心とした設備投資抑制が直撃する形となっている。その結果、採算が高くなる特命工事の比率は43.6%と前年の56.4%から大幅に低下した。
業界では民間工事について「ここ1─2年は厳しい状態が続く」(清水建設の黒澤専務)と指摘され、建設業界全体の見通しについては「どんなに早くても回復に向かうのは来年度以降」(大成建設の阿久根専務)との声も出ている。
これまでなら、景気が落ち込む場面では公共投資の拡大が収益のサポート要因になっていた。実際に、期初の段階では、補正予算の執行によって官公庁向け工事が収益の下支え役になると期待され、前年下半期は各社とも官公庁工事が拡大していたが、政権交代で様相は一変。「今のところ受注した案件で中止になった工事はないが、八ツ場ダムの例を見ても楽観視できない。世の中は変わると思っている」(清水建設の黒澤専務)という。 続く...
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