10年3月期は経常2.3%増益予想、回復リードする加工産業
水野 文也記者
[東京 16日 ロイター] 出そろった上半期の決算は予想よりも好調で、金融業を除く東証1部上場企業の2010年3月期見通しは経常利益が前年比2.3%増とプラスに転換、企業業績の復調がうかがえる。
回復をリードしているのは加工産業で、輸出が好調に推移しているほか、エコカー減税など国内の政策効果も貢献した。ただ、息切れも心配されており、政策対応が回復持続のポイントになるとの指摘もある。
内閣府が16日発表した2009年7―9月期国民所得統計1次速報によると、実質国内総生産(GDP)は前期比プラス1.2%、年率換算プラス4.8%となり、ロイターの事前調査の予測中央値は前期比プラス0.7%、年率プラス2.9%予想を上回る高い成長だったが、これを裏付けるかのように決算の集計数値も回復色を鮮明にしている。 新光総合研究所がまとめた2010年3月期上半期(4─9月、第2四半期累計)決算集計(東証1部・除く金融)によると、13日までに決算内容を開示した1200社(対象はデータ取得可能な金融を除く東証1部上場企業、全201社で開示率は99.9%)の10年3月期業績見通しは、経常利益増減率は2.3%増、営業利益は6.9%減と小幅減益にとどまる見通しだ。
きょう発表のGDPは、1)世界経済の改善を背景にした輸出・生産が持ち直し、2)経済対策効果で個人消費に持ち直しの動きが続いている、3)設備投資の過剰感は高いが底打ち感が出てきた──などが好調な理由として挙げられている。ミクロ経済の状況は、世界経済の回復と経済対策の効果によって、製造業のうち電機や輸送機器など加工産業が前年比71%増益を見込んでいる。
加工産業からは「本格的に需要が回復した中国に加え、インドネシアなど他の新興国でも回復の兆しが出ている」(コマツ(6301.T: 株価, ニュース, レポート)の木下憲治CFO)「(エコカー減税の効果について)保有車代替の進展で大きな成果上がっているのは間違いない」(トヨタ自動車(7203.T: 株価, ニュース, レポート)の一丸陽一郎副社長)などの声が出ていた。
ただ、設備投資は底打ち感が出てきたものの、先行きは懸念材料も抱えている。下半期以降について「足元は堅調だが、各国の景気刺激策によるところもあり、持続性について不透明感がある。米国のクリスマス商戦の結果で、1─3月の動きがみえてくるのではないか」(東芝(6502.T: 株価, ニュース, レポート)の村岡富美雄副社長)、「クリスマス商戦の結果次第では、在庫が増加する懸念が生じる。クリスマス商戦を注視したい」(東レ(3402.T: 株価, ニュース, レポート)の日覺昭廣副社長)などの声が出ており、こうした慎重な姿勢が設備投資の手控えにつながっているようだ。
実際、工場建設を担う建設業界からは「民間工場の建設工事が大幅に落ち込み、これが収益を押し下げる要因になった」(清水建設(1803.T: 株価, ニュース, レポート)の黒澤成吉専務)との指摘が出ている。同社では上半期の受注高のうち、工場関連が前年同期比で80%ダウン。業種別では電気機械向けが同92.6%減、輸送機器が同75.8%減と輸出関連企業を中心とした設備投資の動きが冷えている。 続く...
株式市場、短期リバウンドも
米国株や為替などの外部要因が落ち着けば、売られ過ぎの反動でいったん自律反発に転じる可能性も。 記事の全文













