人民元高トレンド続く中国、「世界の工場」から「巨大市場」に

2010年 06月 25日 10:29 JST
 
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 [東京 25日 ロイター] 人民元相場弾力化や賃金引き上げを求める労働争議など、「世界の工場」となった中国でコスト上昇が意識されている。こうした流れはこの先も続くと専門家は見ているが、日本企業にとっては、輸出生産拠点としての優位性がやや後退しても、巨大市場の需要を取り込むための開発・生産・販売拠点として重みを増してきている。 

  <コスト上昇のトレンド続き、生産基地の魅力は後退> 

 国際協力銀行が実施した海外進出企業を対象にした調査では、中国の労働コストについて「安価」ととらえる企業の割合が05年の6割超から09年には4割台になるなど一貫して減少している。中国で事業計画「あり」と回答した企業は減少傾向が続いており、09年には「なし」との回答は前年の1.6倍に増えた。人件費や人民元相場なども含めて、中国で生産するメリットが以前と比較して小さくなったことが一因とみられる。 

 人件費の上昇は今後も続きそうだ。背景には内陸部の開発により農村の労働力が吸収され、沿岸部の労働力が不足気味となっていること、一人っ子政策により若者の人口が減少に向かっていることなどがある。物価との関係からみても、人民銀行のアンケート調査で物価(上昇)に不満を持つ人の割合が急上昇しており、消費者物価の上昇に賃金上昇が追い付いていないことが浮き彫りとなっている。 

 人民元の上昇も、緩やかながらも続きそうだ。国際通貨基金(IMF)の統計によると、購買力平価からみた中国のドルベースのGDPは09年で8.8兆ドル、実際のGDP4.9兆ドルを大きく上回っている。このため、JPモルガン証券のチーフエコノミスト、菅野雅明氏は「人民元の実力は44%過小評価されていることを意味する」と指摘する。米国議会筋の主張も同様のもので、今後も人民元切り上げ圧力は続きそうだ。

 中国は07年5月に人民元相場の変動幅を0.5%に拡大、その後1年間で10%程度の上昇となっていた。「今回も変動幅を0.5%で据え置いたので、年間10%の上昇が1つの目安になる」(第一生命経済研究所・主席研究員・熊野英生氏)との指摘が出ている。 

  <輸出型企業は生産拠点を分散へ> 

 日本にとって中国は従来から日用品を中心とした生産基地であり、輸入額は米国の2倍、最大の輸入相手国となっている。繊維製品や雑貨、食品、テレビやミニコンポ、コンピュータ部品などのウエートが大きい。進出している日本企業にとっては、人件費上昇や人民元高は日本での輸入価格に跳ね返る。   続く...

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ユーロ離脱、3分の1の確率

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 6月25日、人民元相場弾力化や賃金引き上げを求める労働争議など、「世界の工場」となった中国でコスト上昇が意識されている。写真は人民元紙幣を数える銀行員。安徽省で22日撮影(2010年 ロイター)

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