ソニーが営業利益予想を上方修正、液晶テレビなど好調
[東京 29日 ロイター] ソニー(6758.T: 株価, ニュース, レポート)は29日、2011年3月期の連結業績(米国会計基準)予想を上方修正し、従来1600億円としていた営業利益の見通しを前年比5.6倍の1800億円に引き上げたと発表した。
対ユーロの想定レートを大幅に円高修正したマイナス影響はあるが、第1・四半期(10年4─6月)に液晶テレビを中心に営業損益が想定を大幅に上回ったことなどが予想上振れの要因としている。トムソン・ロイター・エスティメーツによる主要アナリスト19人の予測平均値1483億円を大きく上回った。
11年3月期見通しでは売上高は前年比5.4%増の7兆6000億円と従来予想を据え置いたが、当期損益(前年実績は赤字408億円)は従来予想500億円の黒字から600億円の黒字に引き上げた。会見した加藤優・執行役最高財務責任者(CFO)は、上方修正の理由について、「第1・四半期は5月時点の想定を大幅に上回る結果だった」と説明した上で、「主力のエレクトロニクスが業績改善のけん引役になっている」と強調した。
<一眼カメラやスマートフォンが好調>
主な商品別の動向では、立体的な映像が見られる「3Dテレビ」は「世界各地で順調に導入が進んでいる」(加藤CFO)。液晶テレビのほか、レンズ交換式一眼カメラや、ソニー・エリクソンのスマートフォン「エクスぺリア」などの売れ行きが好調だという。ただ、液晶テレビの年間販売2500万台とする従来計画は変更していない。
2010年度第2・四半期(7─9月期)以降の想定為替レートは、ドル/円が90円で、従来の年間予想の90円と変わりないが、同ユーロ/円が110円と、従来の年間予想125円から大幅に円高方向へ修正した。ユーロの想定レートを円高修正したことは900億円のマイナス要因になるという。円高の逆風にもかかわらず今回、通期予想を上方修正した理由について加藤CFOは、第1・四半期の好調さに加え、「第2・四半期以降の好調なビジネスが見込まれる」ことを挙げた。売上構成比の25%を占める欧州地域の状況については、先行き予断は許さないとしながらも、「足元のビジネスはそれほど不安材料にはなっていない」(同)としている。
10年4─6月期の連結業績は、売上高が前年同期比3.8%増の1兆6610億円、営業損益は670億円の黒字(前年同期は257億円の赤字)、当期損益は257億円の黒字(同370億円の赤字)だった。11年3月期において7年ぶりの黒字化を目指すテレビ事業は滑り出し好調。4─6月期は30億円の営業黒字で、前年同期の営業赤字80億円から110億円改善した。ゲーム事業、ソニー・エリクソンの携帯電話事業ともに4─6月期にそろって黒字という。
<円高でも上方修正はサプライズ>
ソニーの発表内容について、損保ジャパン・アセットマネジメントの菅原繁男シニア・インベストメント・マネージャーは「11年3月期業績予想の上方修正はポジティブ・サプライズだ。実体面での上振れと円高の進行がどのようなバランスで業績に影響を与えるかとみていたが、ユーロ/円の想定為替レートを125円から110円に修正しながらも通期業績予想を引き上げたのには驚きだ」とコメントした。
(ロイター日本語ニュース、浜田健太郎、取材協力:伊賀大記)
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