電子書籍で動き出した日本勢、アップル・グーグル競争に埋没も

2010年 08月 2日 16:42 JST
 
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 [東京 2日 ロイター] 米アップル(AAPL.O: 株価, 企業情報, レポート)の「iPad」(アイパッド)や米アマゾン・ドット・コム(AMZN.O: 株価, 企業情報, レポート)の「キンドル」に対抗し、日本企業の電子書籍事業をめぐる合従連衡が加速してきた。

 米国勢が電子書籍の調達・配信から端末まで「垂直統合型」のビジネスを展開するのに対し、日本勢は、出版社・印刷会社・端末メーカーが共存する「水平分業型」のビジネス構築を目指し、結束を強化している。これに加えて米グーグル(GOOG.O: 株価, 企業情報, レポート)の市場参入が台風の目になりそうだが、日本の電子書籍の分野でもアップル・グーグルとの競争の構図が出来上がることで、国内勢が埋没する可能性が出てきている。

 <主戦場は配信基盤にシフト>

 ソニー(6758.T: 株価, ニュース, レポート)が電子書籍端末「リーダー」を年内に国内で発売することを表明したのに続き、7月20日にシャープ(6753.T: 株価, ニュース, レポート)もタブレット型の電子書籍端末を年内に売り出す計画を発表した。このほか東芝(6502.T: 株価, ニュース, レポート)は2画面にタッチパネルを搭載し、左右見開きで電子書籍をみることができるウィンドウズ搭載の小型ノートパソコン「リブレットW100」を8月下旬に発売する予定。NEC(6701.T: 株価, ニュース, レポート)はグーグルの基本ソフト(OS)アンドロイドを搭載した情報端末「ライフタッチ」を秋にも発売する方向で準備している。

 それぞれの電機メーカーにとっては、端末開発だけでなく電子書籍コンテンツの配信システムを構築することが課題だ。ソニーは、KDDI(9433.T: 株価, ニュース, レポート)、凸版印刷(7911.T: 株価, ニュース, レポート)、朝日新聞社と組んで電子書籍の配信会社を立ち上げる計画。シャープの大畠昌巳執行役員・情報通信事業統轄も「電子書籍を端末ビジネスと捉えているわけではない」として、配信サービスに乗り出す構えを見せている。東芝の深串方彦・執行役上席常務は、リブレットW100の商品発表会で「コンテンツプロバイダーとの連携を考えている」ことを明らかにしたほか、NECの西大和男・パーソナルソリューション事業開発本部長もライフタッチの事業展開について「パートナー企業と提携して、端末とプラットフォームを組み合わせたサービスを開発したい」と話す。

 国内メーカーが配信システムの構築を急ぐのは、米国勢のビジネスモデルを意識しているためだ。米アップルは音楽情報プレーヤー「iPod(アイポッド)」の音楽配信、多機能携帯「iPhone(アイフォーン)」の動画・ゲーム配信に続き、アイパッドで電子書籍の配信へと進出し、コンテンツ流通で着実に商圏を拡大している。アマゾンはキンドルを製造するメーカーではなく、そもそもは「電子書店」で流通が主体。配信サービスの「キンドルストア」では65万冊の電子書籍コンテンツをそろえている。

 さらに米国市場では、アマゾンやバーンズ・アンド・ノーブル(BKS.N: 株価, 企業情報, レポート)が電子書籍端末を相次いで値下げしており、端末の利幅が薄くなってきていることも、日本勢に配信システムの構築を急がせる要因だ。野村総研・藤浪啓上席コンサルタントは「電子書籍ビジネスで、(コンテンツ配信の)プラットフォームを抑えることが競争の主軸になっているのは間違いない」との見方を示している。

 <流通主導の基盤構築へ国内勢が結束>   続く...

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