100年に一度だった今年の猛暑、関連銘柄に見直し余地も
水野 文也記者
[東京 2日 ロイター] 株式市場では猛暑関連株に見直し余地が広がるとの見方が出ている。今年は文字通り100年に一度の暑い夏だった上、9月に入ってからの残暑も厳しく、飲料などを中心に関連銘柄の収益が上振れする期待が一段と大きくなってきた。
猛暑の翌年は花粉症の当たり年になることから、点眼薬メーカーなど花粉症関連株も先では関心を集めるとの指摘も少なくない。
気象庁が1日に発表した今夏(6─8月)の天候のまとめによると、夏の日本の平均気温は平年より1.64度高く、1898年の統計開始以来、過去最高を記録した。また、ここにきての残暑も厳しいが、気象庁が8月27日に発表した1カ月予報(予報期間8月28日─9月27日)では、予報期間の前半を中心に北日本、東日本、西日本ともに気温が高い状態が続くとしており、これまでに特需が発生したことが容易に想像できるだけではなく、関連する業界はまだしばらく潤うとみることができる。
実際、飲料品大手のダイドードリンコ(2590.T: 株価, ニュース, レポート)では、8月度の販売状況(7月21日─8月20日)が前年同期比4.5%増を記録。コーヒー飲料を除き総じて前年実績を上回った。同社では「全国的に記録的な高温となったことが、そのまま寄与した格好」(経営企画本部)としている。
第一生命経済研究所の試算によると、東京・大阪の7─9月の平均気温が1度上昇すると個人消費を4333億円押し上げるという。単純にこの計算に基づけば、平年より平均気温が1.64度高い状態がこのまま9月いっぱい続くと、約7000億円の猛暑効果が消費において見込まれることになる。
だが、ここにくるまで、こうした効果を株価にすべて織り込んだ雰囲気は感じられない。たとえば、ビール株は9月の残暑が厳しくなるとした3カ月予報が発表された7月22日以降、株価は堅調に推移したものの「それまでは年初来安値圏に位置していたため、猛暑を材料したよりも自律反発の色彩が強い」(準大手証券情報担当者)との声が出ている。好実態が明らかになったダイドードリンコは、7月22日の終値を現時点でわずか50円上回っただけだ。
こうした点から市場では「相場環境の悪化で評価される場面が少なかったが、上半期の業績が発表され猛暑効果が数字の上で明らかになった時点で見直される可能性がある。完全に織り込まれたとは言えないだけに修正高の余地はある」(コスモ証券・投資情報部副部長の清水三津雄氏)との指摘もある。
さらに、猛暑の翌年はスギ花粉の飛散量が増える傾向があるため「夏が終わり猛暑関連はイメージ的に買いにくくなるが、代わって点眼薬メーカーなど花粉症関連株が注目される局面が到来する可能性が高い」(SMBCフレンド証券・シニアストラテジストの松野利彦氏)という。ロート製薬(4527.OS: 株価, ニュース, レポート)、参天製薬(4536.OS: 株価, ニュース, レポート)などは直近の相場で大きく変動していないだけに、市場では修正高の余地があるとの見方も出ていた。
(ロイター日本語ニュース 編集 田中志保)
© Thomson Reuters 2012 All rights reserved.




















